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イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東洋経済新報社 |
発売年月日 | 2022/03/25 |
JAN | 9784492522295 |
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商品レビュー
4.5
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私が2005年ごろにこんな研究したいな~と思っていたことを見事に具現化されたような内容。 自分が定量分析、実証研究の方法を実務家教員として教えるときにいいテキストになるものがないかと思って購入した本。大当たりだった。これから実証研究の方法を学ぶ観点でとてもよい書籍だと思う。13章はワークシートにできそう。トピックもとても私にとって興味深い内容だった。 特に9章以降が私には超おもしろかった。イノベーションの源泉や、促進要因はどこにあるのかについて考えさせてくれる内容が豊富に論じられている。スターサイエンティスト(実際に5章を読んでいただければ定義が分かる)の話は、未来に希望を感じる内容だった。素敵な考察ですねぇ~。やっぱり天才ってやさしんだなぁ、と。後継者育てようとしたり、貢献しようという意識が高くて。他にもインセンティブやサイエンティストの嗜好性とキャリア選択の話など興味深い話が目白押し。1か所12章の図表12-17で「プロトタイプの完成」から「VCから投資を受ける」のパスを図は「-」負の影響としているけど、これって「+」正の影響なんじゃないかな。VCにとってのリスクを下げる結果、VCからの投資は増える、という説明だと思うんだけど。 統計のバイアスについても触れていたが、統計的に扱うこと自体の課題についても注意する必要があると学ばせてもらえた。ベンチャーキャピタルの重要性についてスティーブン・カプランの論文を議論する章(9章)があるのだけど(この論文のタイトルがとってもファンキー(笑))、このリサーチクエスチョンが「投資は、人を見るべきか、ビジネスアイデアを見るべきか」 学者の論文から出た現状の答えは、「ビジネスアイデアを見る」方が勝るらしい。そして本文にも、実務家からは「人を見るべき」という見解が多そうで、この結果に違和感があるだろう、外的妥当性の検証を積み重ねることが必要だという内容の指摘がある。はい、その通りだと思います。この結果に対する私の考察は以下の通り。 統計的に情報を扱える、すなわちある程度の量があるデータが入手できた上での分析から導かれている答えであって、そもそも良いビジネスアイデアがそうそう簡単に出てくるものでもないという視点が抜けているのではないかと考える。そりゃよいアイデア(誰が売っても売れるようなアイデア)が出てくれば、それが統計的にはよしとする答えが出やすいだろう。属人性に近くなるほど、ベストプラクティスを導出するのに複雑さや成果が出るまでの階層性が存在するはずだから。そうなってしまうと、定量分析の限界で質的研究を登場させるしかないかもしれない。人間は、なんとなくその複雑さや階層性の重要性を肌感覚で理解しているから違和感があるのではないかと思う。このあたりが人にはできてAIにはできない話にもつながるのかもしれない。
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相関と因果を間違えないこと。 実際の論文を読み解き、近年の経営学を科学的アプローチで理解していこうというもの。差分の差分法とか初めて聞いたし、そうした用語を知るだけでも勉強になった。 様々な分析的手法を駆使して、統計データから真の因果関係をあぶり出し、有意義な意思決定に役立てると...
相関と因果を間違えないこと。 実際の論文を読み解き、近年の経営学を科学的アプローチで理解していこうというもの。差分の差分法とか初めて聞いたし、そうした用語を知るだけでも勉強になった。 様々な分析的手法を駆使して、統計データから真の因果関係をあぶり出し、有意義な意思決定に役立てるというプロセスは面白いし、できるようになりたいと思った。
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産学連携や起業支援の仕事をしてて、この取り組み、長期的に見て本当に有効なんだろうかと思うことは少なくない。経験上あるいは過去の実績等から見て、まず正しいのだろうと思っているが、客観的、科学的かというとやや心許ない。本書では、そのような、いつも向き合う問題点について、最新の論文の紹...
産学連携や起業支援の仕事をしてて、この取り組み、長期的に見て本当に有効なんだろうかと思うことは少なくない。経験上あるいは過去の実績等から見て、まず正しいのだろうと思っているが、客観的、科学的かというとやや心許ない。本書では、そのような、いつも向き合う問題点について、最新の論文の紹介と解説をしてくれている。世界一流の科学者の分析であり、説得力があり、今後の仕掛けづくりにとても参考になる。また、多くの方が論文なんて縁遠いと感じていると思うが、どうやらそうでもないらしい。確かに、多くの研究者に読まれる論文ということは、厳しいスクリーニングにさらされて残った研究成果の結晶であり、信頼できる文献と言える。論文の読み方、特に鵜呑みにしない読み方や、注意点なども説明してくれていて、本書をきっかけにして、多くの方が、(いい加減なコメンテーターの意見ではなく)論文を読んで、いろいろな判断をするようになれば良いなあと感じる。
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