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いわしバターを自分で 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2022/03/08 |
JAN | 9784167918477 |
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いわしバターを自分で
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商品レビュー
3.7
18件のお客様レビュー
コロナ渦前後のエッセイ。オイルサーディンを豪快にコッペパンに挟むあの人が忘れられない...。暑い日の台所事情や、日本各地の美味しそうなものなど、家にも外にもわくわくするエッセイが詰まっている。
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「サンドウィッチは銀座で」など、これを食べにあそこへ、というタイトルでずっときたシリーズ。新刊は「いわしバターを自分で」。このタイトルだけで、コロナ禍の日々のことだ、と気付く。 あのなんとも息苦しかった日々、毎日怯えたように、萎縮して暮らすしかなかった期間。 2020年5月半ばだ...
「サンドウィッチは銀座で」など、これを食べにあそこへ、というタイトルでずっときたシリーズ。新刊は「いわしバターを自分で」。このタイトルだけで、コロナ禍の日々のことだ、と気付く。 あのなんとも息苦しかった日々、毎日怯えたように、萎縮して暮らすしかなかった期間。 2020年5月半ばだったろうか、スーパーでカゴを持ったまま、売り場に立ち尽くしたことがあった。なんにも思い浮かばない。何を食べたいのかわからない。何を作ればいいのか、何を買えばいいのか、皆目見当がつかない。外食がほぼ不可能で、ちょっとした息抜きもできないから心に余裕が生まれない。 あの絶望感は忘れられない。 平松さんも同じように迫り来る閉塞感を味わっていた。店から消えるマスク。閉まってゆく飲食店。破綻していくあれやこれや。負けじと見つける細々した楽しみ。 読みながら「そうそう」とうなずきまくった。 蘇、作った作った。応援したくてテイクアウトもたくさんした。 八百屋のおにいさんの声のところで、「素晴らしい、こういう人はちゃんといたんだ」と涙が出た。そしてそれをちゃんとキャッチする平松さんもやはり素晴らしい。 あの日々が遠くなりつつある今、生活者の視線と確かな筆力で淡々と綴った(しかも「生きる」ことに直結する食にまつわる)エッセイは、もはや現代史に遺るであろうあの日々のことを後世に伝える歴史書だ。生活のことは歴史に残りにくい。けれどあの右往左往と、そこををくぐりぬけたことは確かに記録されねばならぬ、と思う。 灰色のような日々だからこそひとしおに嬉しく感じる、旬の野菜や到来物のまぶしさと共に。
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