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人間の発達とアタッチメント 逆境的環境における出生から成人までの30年にわたるミネソタ長期研究
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人間の発達とアタッチメント 逆境的環境における出生から成人までの30年にわたるミネソタ長期研究

L.アラン・スルーフ(著者), バイロン・イーグランド(著者), エリザベス・A.カールソン(著者), W.アンドリュー・コリンズ(著者), 数井みゆき(監訳), 工藤晋平(監訳)

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人間の発達とアタッチメント 逆境的環境における出生から成人までの30年にわたるミネソタ長期研究

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 誠信書房
発売年月日 2022/02/28
JAN 9784414306354

人間の発達とアタッチメント

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2025/05/06
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〈メモ〉 【サンプル】  本長期縦断研究における調査協力者は、全員貧困家庭にあり、そもそもがハイリスクとされる群であることは、常に留意されるべきである。 【アタッチメントについて】  アタッチメントは、直接的な原因変数と言うよりは、調整変数として作用することが多い。  乳児期の抵抗型は、独自かつ特定的に17歳半時の不安障害と結びついていた。回避型は、不安障害とは関連がない一方、病理全般、および外在化問題やその後の行為障害と関連していた。  不安定型は、回避型・抵抗型の区別なく、うつと結びついているが、それぞれ異なる経路を辿っていると考えられる。すなわち、回避型は「疎外」を基盤とし、抵抗型は「不安」を基盤としているだろう。  安定型・回避型の来歴を持つ若者は16歳までにデートの経験があるが、抵抗型の来歴を持つ若者は遅れをとる。また、安定型・回避型は、デート関係の継続期間によって区別された。すなわち、回避型は、安定型よりも関係を維持できなかった。  養育者との初期の相互作用が、子どものIWMやASに影響を与え、子どもの成長(発達)とともに、今度は子どもIWMやASが養育者との相互作用の質に影響を与える。すなわち、臨床・福祉・教育的観点からすれば、子どもが持つ外界への影響力は、成長(発達)とともに高まるため、子どもへの効果的なアプローチによって、心理社会的適応を向上させられる可能性を見出せる(もちろん、簡単なことではないし、そもそも子どもに全ての責任・改善・変化を求めるのは適切ではないが、ここでは、環境や親に依らず、子ども自身に可塑性や影響力があることを肯定的に捉えたい)。 【逆境的体験】  不適切な養育や面前DVを経験することは、児童期における男児の外在化問題を予測する。 【補償について】  被養育経験をはじめとする初期の経験は、後の肯定的な経験(教師との出会いについての記述もある)によって補償されるというエビデンスが、複数示されている。 〈学んだこと・考えたこと〉 【適応とは】  本書において、「適応」とは、ある個人におけるこれまでの発達とそれに伴う適応状態の累積(発達的構築物)であると同時に、現状の環境によって決定される。これはBowlbyの考えと一致するものである。  こう考えると、「アタッチメント」とは、ある変数を規定する直接的・決定的な原因であるのではなく、「適応」に影響を及ぼすあらゆる変数に広範な影響を与え、間接的でありながらも、その時点における「適応」に対して広範な影響力を持つ。そうして、アタッチメントから影響を受けた「ある時点における適応」が、次の「適応」を形作る。「適応」を発達的構築物と捉えるこの立場からして、アタッチメントとは、個人の「適応」に遍く影響を及ぼすのである。 【因果関係】  ある時点における原因変数が、ある時点における結果変数を予測できなかったとしても、両者に因果関係がないと言えない。と言うのも、原因変数の影響を受けた結果変数が顕在化するのは、必ずしもその研究デザイン上の時期とは限らないからである。例えば、母親のパートナー(血縁関係にない男性)の家の出入りは、児童期よりも青年期の男児において問題となる。  複数の変数における因果関係を推定する際、その"時期"が深く関わること、さらには、それによる多くの研究に指摘できるであろう"限界"に自覚的に論文を読み、研究をデザイン、考察する必要があろう。

Posted by ブクログ

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