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オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがえのない日々
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日経ナショナルジオグラフィック社/日経BPマーケティン |
発売年月日 | 2022/02/17 |
JAN | 9784863135079 |
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オオカミの知恵と愛
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4
4件のお客様レビュー
この本を読み終えたらオオカミが愛おしくなった。特に最後の頁に掲載されている写真は必見です。オオカミはイヌの先祖で共通点も多いことを忘れてはいけないと思った。 西洋ではオオカミは、「赤ずきん」や「三匹のこぶた」に登場する狡猾で残忍な生き物と思われてきた。そして家畜を襲う害獣と...
この本を読み終えたらオオカミが愛おしくなった。特に最後の頁に掲載されている写真は必見です。オオカミはイヌの先祖で共通点も多いことを忘れてはいけないと思った。 西洋ではオオカミは、「赤ずきん」や「三匹のこぶた」に登場する狡猾で残忍な生き物と思われてきた。そして家畜を襲う害獣とみなしてきた。逆に日本では大神としてあがめられていたところもある。 本書の作者のジム& ジェイミー・ダッチャー夫妻は1990 年から6 年にわたり、米国アイダホ州ソートゥース山脈の麓でオオカミを移植し、その群れに囲まれてテント生活を送り、めったに人の目に触れることのない彼らの社会生活を観察して記録に残した。そのドキュメンタリー映画はエミー賞を受賞している。本書は文章としての記録と言える。 しかしながら米国には、反オオカミ派というべき人が多くいる。保護されている地区の外に出たとたん、罠と銃が待ち構えているのだ。米国は昔からの銃社会ということもあるのだろう。 作者夫妻は、2005 年にNPO「リビング・ウィズ・ウルブズ」を設立し、オオカミの保護や人との共生を進める手立てを探るとともに、講演活動などを通じてオオカミの真の姿や彼らの経験を人々に紹介しているそうだ。 日本では昨今、クマが人里に出没し駆除される事例が増えている。「クマを殺すな」の声もそれなりに大きい。どこでも野生動物との共存は難しい。
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米国アイダホ州で、おおかみの群れを観察した夫妻の5年間の記録。おおかみの写真やドキュメンタリー番組で著名な夫妻がおおかみたちに向ける眼差しは、優しく畏敬の念があふれている。 最後のページの著者とおおかみのハイタッチの写真が、おおかみたちと著者との信頼関係をよく表している。
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あなた、よくオオカミの本を読んでいるけど、なんでそんなにオオカミが好きなの?ときかれた。 はて? 改めてきかれると、自分でも何で?と思う。 シートン動物記の『狼王ロボ』や、ジャック・ロンドンの『白い牙』や『野生の呼び声』、熊谷達也の『漂泊の牙』など狼を題材にした小説...
あなた、よくオオカミの本を読んでいるけど、なんでそんなにオオカミが好きなの?ときかれた。 はて? 改めてきかれると、自分でも何で?と思う。 シートン動物記の『狼王ロボ』や、ジャック・ロンドンの『白い牙』や『野生の呼び声』、熊谷達也の『漂泊の牙』など狼を題材にした小説はどれも面白い。「大口眞神」のお札で有名な秩父の狼信仰について書かれた『オオカミの護符』という本は、日本人が狼をどのように考えてきたかがわかってとても興味深い。 でも、これらの本に出てくるのが、狼だったり、オオカミ犬だったり、イヌだったりで、それぞれの違いが曖昧。ニホンオオカミもヤマイヌと呼ばれて、ごっちゃにされていたみたいだし、天空のシリウスも天狼星と呼ばれたりするけど、おおいぬ座だし、人に飼われているイヌの先祖は全てオオカミの子孫らしいから、混同してしまうのは仕方ないとしても、狼のこと、実はよくわかってないかも?と常々感じていた。 そんなときに、この本がドーン!と自分の手元にやってきた! 実際に北米アイダホ州でオオカミの群れと6年間暮らしてきた夫妻のドキュメンタリー。 読むうちに、なぜオオカミの本が好きか、すぐにわかった。彼らが人間くさいからだ。 狼の群れには厳格な序列があって、アルファ狼が群れを統率して、他の狼は彼に従う。獲物を仕留めたときも、一番に食べるのはアルファだが、他の狼だって腹が減っているのは一緒だ。二頭の狼が知恵を出し合って、連携プレーでアルファを欺き、分け前を余分にゲットしたりする。一番立場の弱いオメガ狼は、他の狼にいじめられたりして、食事も一番後になりがちだが、それで飢えたりはしない。いじめっ子から、いじめられっ子を守る狼もいるからだ。 強い子、弱い子、ずる賢い子、正義感強い子、穏やかな子、怠ける子、でも本気出したらすごい子、人間社会にも、いるいる、こんな人。 一匹狼なんて言葉があるから、単独行動を好むと勘違いされるかもしれないが、狼は基本的には集団行動で、一匹でいる場合は、群れから追い出されたか、縄張り争いに負けた場合で、パートナーを探す途上の狼らしい。でも好奇心旺盛な若い狼が自ら新天地を求めて、群れを飛び出すこともあるらしい。ますます人間くさい。 狼たち、カラスと戯れることもあるらしい。カラス好きの自分としては、その映像がものすごく見たい。カラスもチームワークで猛禽類を追い払うし、なんか相通ずるものを感じとっているだろうか。 読めば読むほど、愛おしさが募るばかりの、そんな狼たちを、狩りの標的にする輩がアメリカには大勢いるらしい。ほんとにもう、しょうもない奴らだ。 罠にかかって弱っていくばかりのパートナーを、どうすることもできずに、死を待つだけの数日、毎日食べ物を運んで看取りにくるという、こんな愛情深い動物を、なぜあんたらは殺せるんだ? どうも狼は家畜を襲ったり、人間に害を与える害獣という固定観念に囚われているようだ。そういえばシートンの「狼王ロボ」は食べるわけでもなく、遊びで家畜の羊を百数十匹殺していたなあ。あれ、実話? 実話にしても創作にしても、たぶんシートン動物記が名作であるがゆえに、狼の凶暴なイメージを広めてしまったと思う。 狼のようなトッププレデターを絶滅に追い込むと生態系が破壊される。日本は狼を絶滅させてしまったばかりに、鹿や猪が増えすぎて、山野の植生が変わり、毎年深刻な農作物被害が出て、何十万頭も、たぶん二つ合わせたら100万頭を超える数を、毎年のように駆除しなくちゃいけない国になった。 北米も一時期そうなりかけたにも関わらず、やっと増えてきた狼を、また殺そうとするなんて。愚かな行為でしかない。狼狩りは禁止にすべきだ。 この本、10代の子でも読めるような形でも出版して欲しい。大人より子どもが読んだほうが意味がある。
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