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転生の魔 私立探偵飛鳥井の事件簿 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2022/02/15 |
JAN | 9784065262122 |
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商品レビュー
2
2件のお客様レビュー
左翼的すぎでしょ ひたすら安保闘争やら学生闘争やら火炎瓶やら内ゲバやら公民権運動やらセクトやら読まされて、まったくもって左翼的信条などとうてい関心がないとしか言ひやうがなかった。聞きこみばかりで目立った展開もないしひたすら苦痛で退屈である。 さらに文章も凡庸で、こんなのがハー...
左翼的すぎでしょ ひたすら安保闘争やら学生闘争やら火炎瓶やら内ゲバやら公民権運動やらセクトやら読まされて、まったくもって左翼的信条などとうてい関心がないとしか言ひやうがなかった。聞きこみばかりで目立った展開もないしひたすら苦痛で退屈である。 さらに文章も凡庸で、こんなのがハードボイルドだとしたらガッカリだ。 あとところどころサルトルだの大女ジンだの、要するに大江健三郎が出てくるのだが、名を伏せる理由はあるのか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
言い訳(誰に対しての?)のようだが、仕事が忙しく、読んでいた別の本がなかなか進められなかった。そこで、やはり何かミステリが読みたくなった。かつ、講談社文庫が読みたかった。講談社文庫は文字が大きく、読みやすい。そういう気分になることは誰しも、定期的にあることと思う。 本書は書店で講談社文庫の本棚を見て、その場で決めて購入した。最近はそういう状態のものをみることがあるが、文庫に透明のカバーがかかっていて、いつものように内容をパラパラめくってみることができない。それでも、著者の作品はこれまでにも読んだことがあり、あえて中身を見ないままに購入した。 読み進めてしばらくして、主人公飛鳥井が、すでに老人と言っていいほどの年齢に達していることがわかった。意外ではあったが、私立探偵ときいて若くて生活能力のない、けれど事件となると天才的に活躍する…ような、よくあるイメージに収まらない主人公であり、新鮮だった。飛鳥井はむしろ文字通り仕事としての探偵業をストイックにこなすことのできる老練な男であって、現実の探偵とはこういうものかと感じた。 本作は、2015年か2016年ごろのSEALDsの活動があったころが舞台にされており、その他、地下鉄サリン事件などの現実の事件や社会問題等の要素も含まれている。ただ、最も大きな謎となる事件は40年前に起きていて、この謎には、現代の社会問題というよりも1960年代?の学生闘争や左翼運動などが大きく絡んでくる。自分の生まれていないその時代については、かつて大学生の中には安田講堂を占拠した人たちもいたのだという、今では考えられないような時代があったのだと、漠然とした感覚・知識しかなかった。そこにどういう思想的背景があったのかとか、その後の日本での民衆の政治的行為にどういう影響を与えたのかなど、そうした内容は、これも読み始める前は予想していなかったにせよ、興味深く、知ることができて良かったと思う。 謎解きの物語としても、飛鳥井が当時の関係者に相対し、うまく立ち回って次第に真相が明らかになる過程はテンポが良く、楽しめた。ただ、上述したように数十年前の社会情勢や左翼活動の複雑な経緯が、謎を解き、また、登場人物たちの行動を理解する大きな鍵になると思われたので、そうした内容にピンとこない読者もいるかもしれないと感じた。また、主要な登場人物たちのほとんどは高齢で、それ自体は本来作品の良しあしに影響はないはずだが、ただどうしても全体に地味な印象を与えてしまっているように思うのと、探偵の飛鳥井自身が、有能ではあるけれどあまりにも泰然としすぎているというか、老成しているといった印象を持った。 奇抜なトリックや、探偵たちを独特のキャラクターにすることで人気を得ているミステリーも多いと思われる中、異なる方向性の作品だと感じた。個人的には、昭和の時代にさかのぼって、謎を解いていく物語は好みだったし、その時代独特の雰囲気も読んで知ることもできたので、とても満足だった。
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