齋藤孝の小学国語教科書 全学年・決定版

齋藤孝(著者)

• 販売会社／発売会社: 致知出版社
• 発売年月日: 2022/01/25
• JAN: 9784800912572

商品レビュー

2022/03/20

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Common Sense: 『齋藤孝の小学国語教科書』

「子供が難しく感じないようにという、大人の一方的な配慮によって」つくられた易しく、薄っぺらい国語教科書ではなく。
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■１．厚さ３センチの小学国語教科書？！

「こんな分厚い教科書を小学生に？」という驚きが、『齋藤孝の小学国語教科書』[齋藤R04]を手に取った時の第一印象でした。ページ数543ページ、厚さはゆうに３センチあります。

　国語教育に関して、齋藤孝・明治大学文学部教授の見識に常々学んでいる弊誌は、これまでもご著書の『子どもと声に出して読みたい「実語教」』(JOG794)や、『齋藤孝のこくご教科書 小学１年生』(JOG1106)をご紹介してきました。

　その齋藤先生が、なぜこんなに「ぶっとい」本を教科書として提案されたのか、そのご意見は後に伺うとして、もう一つ驚いたのは、とりあげた内容のバラエティの豊かさです。

　万葉集から現代のシンガー・ソングライター米津玄師まで、また国内だけではなく、杜甫や陶淵明の漢詩、プラトンの『ソクラテスの弁明』から、2014年ノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさんの『国連本部でのスピーチ』までカバーされています。

　これだけの「ぶっとい」、かつ幅広い国語教科書のごく一端だけでも紹介しようと、本稿では親子の情愛に関する名歌名文に絞ってとりあげてみましょう。