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魂の秘境から 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2022/01/07 |
JAN | 9784022620590 |
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魂の秘境から
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商品レビュー
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本書は、朝日新聞に2015年1月から2018年1月31日まで掲載されたものを書籍化したものだが、著者が亡くなられたのが2018年2月であるから、正にその最晩年の肉声である。(その文章は口述筆記でされたようだ。) 育った場所や家族との思い出、幼き日に束の間出会った友だちとの遊び...
本書は、朝日新聞に2015年1月から2018年1月31日まで掲載されたものを書籍化したものだが、著者が亡くなられたのが2018年2月であるから、正にその最晩年の肉声である。(その文章は口述筆記でされたようだ。) 育った場所や家族との思い出、幼き日に束の間出会った友だちとの遊び、水におぼれたときの記憶、そうした懐かしさを語る合間、合間に水俣病の被害者の姿や、海や川の汚染の様相が炙り出される。 自然と人間とのつながり、人と人との関わりについて、美しくも、力強い文章をたくさん残していただいた。一つだけここに特記しておきたい。2017年9月28日掲載「原初の渚」より。 「海が汚染されるということは、環境問題にとどまるものではない。それは太古からの命が連なるところ、数限りない生類と同化したことご先祖さまの魂のよりどころが破壊されるということであり、わたしたちの魂が還りゆくところを失うということである。」
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石牟礼道子の遺作にして、原風景を辿る追想 水俣の豊かな自然が、神宿る土地が、少女道子とともに生き生きと浮かび上がる。 この本に水俣病の詳細は出てこない。でも私たちは知っている。彼の地で行われた非人間的な破壊を。 そして想像する。この豊かな自然がかくも残酷な手段で奪われたという...
石牟礼道子の遺作にして、原風景を辿る追想 水俣の豊かな自然が、神宿る土地が、少女道子とともに生き生きと浮かび上がる。 この本に水俣病の詳細は出てこない。でも私たちは知っている。彼の地で行われた非人間的な破壊を。 そして想像する。この豊かな自然がかくも残酷な手段で奪われたという事実。我々が持っていたもの。我々が失ったもの。考え続けるしかない。
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朝日新聞の連載なのだからきっと目にしていたはずだ。しかし、記憶にない。NHK「100分で名著」で「苦界浄土」を取り上げたのは5年ほど前だから、当時はまだそれほど意識に上がっていなかったのかもしれない。その後ずいぶんたってから、「苦界浄土」を文庫で読んで、すぐにひき込まれた。もう亡...
朝日新聞の連載なのだからきっと目にしていたはずだ。しかし、記憶にない。NHK「100分で名著」で「苦界浄土」を取り上げたのは5年ほど前だから、当時はまだそれほど意識に上がっていなかったのかもしれない。その後ずいぶんたってから、「苦界浄土」を文庫で読んで、すぐにひき込まれた。もう亡くなられた後だったのだ。パーキンソン病で晩年は不自由な生活をされていたようだ。私の父も同じような症状で、同じような年齢でなくなっているので、ありありとその様子が目に浮かぶ。しかし、幼いころのことをよく覚えていらっしゃる。まあ、大雨で川に流されるというような経験ならば、忘れることはないのだろう。人形が身代わりになって、自分の命は助かっただなんて。伊藤比呂美さんのことを比呂美ちゃんと書いているところもまたいい。そしてまた解説が何とも言えず良かった。「余計な言葉が、一つあってもいけません」石牟礼さんの思いがひしひしと伝わってくる。プリンやアップルパイを食べて喜んでいる89歳の姿がまた目に浮かぶ。「いまの人は、自分が一人で完結しているように思っているかもしれませんねえ。わたくしの父母や、昔の人はそうではありませんでした。大きな何かにつながっていて、それを日々感じていたんですね」心に留めておきたいことばである。現代思想はなぜ買わなかったのだろう。まだそのときは、それほど思いつめていなかったのか。とにかく、読まなければ。いまはそう思っている。文庫は買って、単行本は図書館で借りてでも。
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