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「人それぞれ」がさみしい 「やさしく・冷たい」人間関係を考える ちくまプリマー新書392
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「人それぞれ」がさみしい 「やさしく・冷たい」人間関係を考える ちくまプリマー新書392

石田光規(著者)

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「人それぞれ」がさみしい 「やさしく・冷たい」人間関係を考える ちくまプリマー新書392

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2022/01/07
JAN 9784480684172

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「人それぞれ」がさみしい

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商品レビュー

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2024/08/19

『「人それぞれ」がさみしい』 2024年7月25日読了 わたしたちが日常よく使ってしまう「人それぞれ」という言葉について、その社会的背景や内包する意味と問題、人間関係の変化などを多角的に扱った一冊。わたしが特に面白いと思った3点を列記していきたい。 1.「人それぞれ」を可能とす...

『「人それぞれ」がさみしい』 2024年7月25日読了 わたしたちが日常よく使ってしまう「人それぞれ」という言葉について、その社会的背景や内包する意味と問題、人間関係の変化などを多角的に扱った一冊。わたしが特に面白いと思った3点を列記していきたい。 1.「人それぞれ」を可能とする社会 わたしたち人類は狩猟採集や農業などで生計をたてており、集団で生活せざるを得なかったと言えよう。「人それぞれ」が可能になったのはつい最近のことなのだ。お金を支払うことでモノが買え、サービスが受けられるようになった。そして個人が尊重される社会になった。 たしかに「個人」が誕生し、人生の選択ができるようになったのは、人類の歴史の中でもつい最近のこといえよう。わたしたちの社会が「人それぞれ」となり、個人の自由が尊重される一方で、新しい問題が表出してきているのだ。 2.人間関係の変化 かつて地縁や会社での縁で結びついていたわたしたちの人間関係は、より個人が尊重されるようになり、自分の好きなように選択できるようになった。これは地縁という面倒な結びつきから解放される一方で、友達関係がより不安定になったともいえる。しがらみが少ない分、関係性を解消することも簡単になったということだろう。 しかし、人々は人間とのつながりから逃れられない。求めてしまわざるを得ないのだ。だからこそ、この不安定な人間関係に恐れを抱いており、関係性が修復不可能になってしまうような衝突を避けるために「人それぞれ」が多用される。 3.「人それぞれ」がもたらす問題 筆者は本書のなかで「萎縮」とそれによる抑え込みが表出した「過剰さ」を問題に挙げている。 「萎縮」の例としては、パワハラやセクハラを恐れるがために、部下に注意できない上司や、コロナ禍の「自粛警察」のように過剰に迷惑を抑制しようとする監視の目を挙げている。このほか、最も厄介だと思われる例が生活保護受給者に対する批判の目である。生活保護というものが税金で成り立っているがために、その受給者を努力不足であり「迷惑」とみなす考え方だ。このように、「人それぞれ」という考え方が広まる一方で、「迷惑センサー」によって人々の行動を律している側面もある。つまり、現代においても集団的体質というのは「迷惑を過剰に排除しようとする目」として残っており、その中で「生きづらさ」を抱えるのも必然と筆者は述べる。 このようにある意味、自分の意見を強く発信しにくくなった世界の中で、人々は不満を抱え込むとともに、自分と同じ意見の他者と強くつながるようになる。これによって、対立と分断が深まるとされる。また、「それぞれの不満に蓋をすることで秩序を維持してきた「人それぞれ」の社会」において、「迷惑センサー」をより過敏にしており、秩序から外れた人々にぶつけられる過剰なまでの反応(=炎上)を引き起こしやすくなっているといえよう。 「人それぞれ」の社会とは一見自由なように見えるが、萎縮の中で不満が募り、分断や過激な反応を生み出してしまっている。その問題を少しでも和らげる解決策として、本書では「異質な他者を取り入れる」ことを提唱している。たしかにしがらみが少ないわたしたちは、自分と合わない他者と付き合わないという選択がとれるようになった。自分に好ましいと思われる他者の中で生き、「異質な他者」の存在がより薄くなっていると言えるだろう。しかし、自分に好ましい意見ばかり聞いていても、世の中の分断と対立はより一層深くなるばかりである。 筆者がより居心地がよいと説く「おたがいに迷惑をかけつつも、それを笑って受け入れられるつながり」には、全く同感するところである。互いに迷惑をかけないよう、息をひそめて本音も言えない関係性はしんどい。居心地がよい関係性を築くためにも、「目の前の人と腰を据えて付き合うことを意識し、お互いがもつ異質さを受け入れる」ようになっていきたい

Posted by ブクログ

2024/08/05

大学入試小論文の出典として名前を見て、この手のテーマが昨年の流行であったとのことで手に取った本。 プリマー新書ということで学生向けなので、文体も優しく、すぐ読めてしまうが、なかなか現代の「息苦しさ」を絶妙に言語化してくれているように思った。それゆえにプリマー新書であることが悔や...

大学入試小論文の出典として名前を見て、この手のテーマが昨年の流行であったとのことで手に取った本。 プリマー新書ということで学生向けなので、文体も優しく、すぐ読めてしまうが、なかなか現代の「息苦しさ」を絶妙に言語化してくれているように思った。それゆえにプリマー新書であることが悔やまれる。あと2、3歩踏み込んだ内容を読みたいと思った。 人それぞれ、という一見個性を尊重する社会通念は、実は形を変えているだけで集団主義的な色を非常に強く残しているというのはその通りだ。 外のコミュニティに対して「迷惑センサー」と「特権センサー」が過敏に反応し、相手を再起不能になるまでボコボコにする想像力のなさや、付き合う相手を選べるようになったが故の「キャンセル思考」「コスパ思考」によって、踏み込んだ深い関係性を築けない寂しさはとても合点がいった。 ここから先は持論だが、全ての問題の根幹にあるのは、他者に対する想像力の欠如だと思う。ただ、その想像力は思いやりから生まれるものだ。これだけ個人主義が進んでいる昨今、他人を思いやる事の美しさを語ることが難しい。何でもかんでもコスパで考えることになった今では、他者への思いやりに必要性こそなければ、関わらない「緩やかな撤退」が戦略的に効果があるからだ。 どんな世界線に進んでいくとしても、目の前の人を大切にする自分でありたいと改めて思った。

Posted by ブクログ

2024/07/04

現代は『人それぞれ』の多様性が認められはじめて、ずいぶんと昔よりは生きやすくなっていると思う反面、他人とクイックに繋がれる希薄な人間関係にうっすらとした寂しさを感じてこの本を読みました。 ・異質な他者を取り込むには深い対話が必要 ・最適化願望をいったん脇におき、つながりへの期...

現代は『人それぞれ』の多様性が認められはじめて、ずいぶんと昔よりは生きやすくなっていると思う反面、他人とクイックに繋がれる希薄な人間関係にうっすらとした寂しさを感じてこの本を読みました。 ・異質な他者を取り込むには深い対話が必要 ・最適化願望をいったん脇におき、つながりへの期待値を下げ、人にはプラスの面もマイナスの面もあるというごく当たり前の事実に立ち返る必要がある ・人付き合いの基本と本質は、期待通りにいくこと、期待にそぐわないことも含めて共に過ごしていくこと 人間関係を築く際に自分に足りてないことや、これからの人付き合いに意識していきたいことが明確になった気がします。

Posted by ブクログ

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