冤罪をほどく "供述弱者"とは誰か

秦融(著者), 中日新聞編集局(著者)

• 販売会社／発売会社: 風媒社
• 発売年月日: 2021/12/01
• JAN: 9784833111447

商品レビュー

2024/07/24

人工呼吸器のチューブを引き抜いて患者を殺害したとして殺人罪で服役していた元看護助手の女性の冤罪を訴える声を受け取った新聞記者たちが真相を明らかにするノンフィクション。
女性はなぜ自発的に虚偽の自白を行ってしまったのか、その裏にあった彼女が抱える障害や特質、滋賀県警の誤った方策などが明かされていく様は推理小説のようでもある。また、なんとしても有罪に持ち込みたい検察とそれに唯々諾々と従う裁判所の姿勢が、今回のみならずこれまで多数の冤罪をもたらした要因との指摘もなされ、冤罪事件全般の入門書にも感じられる。
やや筆致がくどいように思われたが、それも込みで丁寧なノンフィクションであり、冤罪に関心のある人間なら読む価値はある。

2024/04/10

刑事何森シリーズで「供述弱者」という言葉を知りました。西山さんのことはニュースで見た記憶がある。冤罪がなくなることを願います。失われた時間や関係性など、重すぎる。

2023/12/28

冤罪をほどく: “供述弱者”とは誰か。中日新聞編集局と秦融先生の著書。冤罪なんてあってはならないこと。供述弱者であるからといって冤罪をかけられるなんてあってはならないこと。知識も経験もある人が知識も経験もない供述弱者を上から目線で高圧的に痛めつけて冤罪をかけるなんて許されない。冤罪を引き起こした警察・検察・裁判所関係者は徹底的に処罰されてほしい。冤罪で苦しめられた本人や家族や関係者からしたら間違えましたでは済まない話だから。それどころか間違いを認めないような警察・検察・裁判所関係者を実名報道で徹底的に批判されるべきなのかも。冤罪がなくなる日が一日でも早く来てほしい。