1,800円以上の注文で送料無料

剛心
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 書籍
  • 1221-04-02

剛心

木内昇(著者)

追加する に追加する

剛心

定価 ¥2,200

660 定価より1,540円(70%)おトク

獲得ポイント6P

在庫わずか ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品【送料無料】

店舗受取なら1点でも送料無料!

店着予定:1/3(土)~1/8(木)

店舗到着予定:1/3(土)~1/8(木)

店舗受取目安:1/3(土)~1/8(木)

店舗到着予定

1/3(土)~1/8

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

1/3(土)~1/8(木)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2021/11/05
JAN 9784087717594

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

1/3(土)~1/8(木)

剛心

¥660

在庫わずか
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

4.3

25件のお客様レビュー

レビューを投稿

2025/09/15

 一見造語のようだが、剛心とは建物の強さの中心のことであり、不動産用語だ。建物には重さの中心としての「重心」があるが、それとは別に、地震の時に、その地震に耐えようとする、その建物が持っている強さの中心点のことを「剛心」と呼ぶ。地震などで、建物に水平の力が加わった時、その力は重心に...

 一見造語のようだが、剛心とは建物の強さの中心のことであり、不動産用語だ。建物には重さの中心としての「重心」があるが、それとは別に、地震の時に、その地震に耐えようとする、その建物が持っている強さの中心点のことを「剛心」と呼ぶ。地震などで、建物に水平の力が加わった時、その力は重心にもっとも強く働く。しかし、建物の一番強い部分は剛心であるため、重心と剛心の距離が離れていると、そこに「ねじれ」が生じて建物に損傷を与えてしまう。これを避けるためには、耐力壁などをバランスよく配置して、重心と剛心の距離を近づけてやることが必要である。  日本近代建築の雄、妻木頼黄が、“剛心”だと言いたいのだろう。といってもあまり知っている人はいない。しかし関わった建築物は知っているはずだ。例えば日本橋。今でこそ首都高が上を走って景観としても今ひとつだが、その昔は空がよく見えるいい橋だった。  大審院、広島臨時仮議院、日本勧業銀行をはじめ、数多くの国の礎となる建築に挑み続けた建築家は、個人事務所を構えるという選択肢もあったが、あくまで官吏に拘った。彼と逆に独立の道を選んだのが「辰野堅固」こと辰野金吾である。英国留学後、大学教授を経て最初から個人事務所を構えた。妻木頼黄の説明として“大蔵省営繕の総元締めとして絶大なる権力を持っていた営繕官僚”と書いてあると、まるで辰野金吾の方が巨人に挑戦するダビデのようで、妻木の方が国の権力を笠に着てやりたい放題の今どきのザ・官僚の先祖のようだ。  民に仕事を渡さない政府の悪い姿のようだが、本作での妻木の“言い分”は違う。“言い分”とはいっても、妻木が物“言う”わけではない。内面は一切吐露しない代わり、外務大臣・井上馨、大工の鎗田作造、助手を務めた建築家の武田五一、妻のミナをはじめ、彼と交わった人達の視点から、ブラックボックス妻木頼黄という存在を俯瞰的に読者に提示する。常に、幼い日に目にした、美しい江戸の町並みへの愛情を忘れず、皆が雪崩をうって欧化に走る姿を尻目に、西欧の技術を用いた江戸の再興を目指した。究極の目的として国会議事堂の建設があり、彼はあくまで国が創ることに拘ったが、辰野らはコンペに固執する。しかしこれも妻木に言わせれば、個人が創る建築は“さあどうです、すごいでしょう”と自分の個性を出す事に気を取られ、建物の持つ意義が置き去られてしまうと主張する。個性を出し過ぎることなく、予算を守りながら、後年に残せる頑丈な建物を創る。誰に対しても腰が低く、しなやかなようでいて、奥底に強い意思を秘めている。そんな建築家がいたと知ることができ、大変喜ばしい読書だった。  妻木の建てた建築物には、今も残るものがある。さて、我々は容れ物に相応しい人物を、送り込めているだろうか。

Posted by ブクログ

2025/03/27

『江戸の終焉』によって壊された美しい街並み。 現在の『東京』の成り立ちを感じ取れます。 ヨーロッパの建物が、きちんと景色を作っているのに、日本では、建物各々が主張し合っているとしか思えない景観が、 この明治の時代に築かれたことを、悔しく思いました。

Posted by ブクログ

2025/01/20

日本史、建物好きにはグッとくるお話。 退所する時の一言でうるうるした。 それぞれ青春からの切磋琢磨と思いを背負う後人たち。妻木さんの素敵さが最後に滲み出まくる。。。

Posted by ブクログ