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旅する少年
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 春陽堂書店 |
発売年月日 | 2021/10/07 |
JAN | 9784394190233 |
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旅する少年
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
著者が小学校高学年から中学を卒業するまでの、1970年代なかばの鉄道一人旅を、令和の時代から振り返って書かれた本。私よりも一回り年上の著者が記す少年時代の記憶は、子供の頃の自分が大人と認識していた人々の姿を記憶の底から掘り起こしてくれる。写真に残された、もしご存命なら現在70代...
著者が小学校高学年から中学を卒業するまでの、1970年代なかばの鉄道一人旅を、令和の時代から振り返って書かれた本。私よりも一回り年上の著者が記す少年時代の記憶は、子供の頃の自分が大人と認識していた人々の姿を記憶の底から掘り起こしてくれる。写真に残された、もしご存命なら現在70代から100歳以上の人々の、若々しい表情が眩しい。現在の著者からみれば恥いるばかりだと語られる、当時の著者の少年らしい生意気な行動を、時には叱りつつ、おおらかに許容する年長の人々が、皆それぞれに魅力的。
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著者にしろ、原武史にしろ、自分とくらべると小学校高学年の時点において、思考、行動の点についてはるかに大人である。5~6年の時代の差よりも育った環境の差のようにも思えるのだが、その人間的な違いに愕然、呆然とするが、長じて達した立場の違いを考えれば、当然、当たり前のことかもしれない...
著者にしろ、原武史にしろ、自分とくらべると小学校高学年の時点において、思考、行動の点についてはるかに大人である。5~6年の時代の差よりも育った環境の差のようにも思えるのだが、その人間的な違いに愕然、呆然とするが、長じて達した立場の違いを考えれば、当然、当たり前のことかもしれない。
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小説家 黒川創さん(1961年京都伏見生まれ・刊行時60歳)が、小学校6年生から中学卒業までに実行した驚くほど多くの一人旅の記録。12歳から15歳の頃にこんな旅をしていたこと自体が驚きであるとともに、無邪気な田舎の少年にすぎなかった自分との成熟の違いにも目を瞠る。 バックグ...
小説家 黒川創さん(1961年京都伏見生まれ・刊行時60歳)が、小学校6年生から中学卒業までに実行した驚くほど多くの一人旅の記録。12歳から15歳の頃にこんな旅をしていたこと自体が驚きであるとともに、無邪気な田舎の少年にすぎなかった自分との成熟の違いにも目を瞠る。 バックグラウンドとしての家庭の状況(京都住まい・進歩的~左翼的両親)の違いはあるとしても、大人になるまで数えるほどしか地元の街を出たことがなかった私にとっては、ほぼ同時代(シラケ世代)である著者の旅をこの本で追体験させてもらうことで、自分が成しえなかった旅を64歳になって回想するようでもあった。読んでいる間はまるで著者になったかのような時間を過ごし、自分もまた小学校6年生から中学卒業の時間旅行をした思いだ。著者の旅の記録(膨大な数の写真・切符類・切手類)やその時代に書かれた文章も収載され、それによってますます著者が私に憑依する。 あとがきに書かれた独在論(ソリプシズム)とそこからの脱却の話を読むと「自分は今になるまでソリプシズムに囚われている」のかもと思ってしまう。この読書による追体験が自分の未熟さをも気づかせてくれた・・・かなり「もう遅い」感はあるが。
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