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インターネットは言葉をどう変えたか デジタル時代の〈言語〉地図
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | フィルムアート社 |
発売年月日 | 2021/09/25 |
JAN | 9784845920280 |
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インターネットは言葉をどう変えたか
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商品レビュー
3.3
6件のお客様レビュー
【中央図書館リクエスト購入図書】 ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC0996573X
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いわゆる言語ではなく、ネットスラングとか絵文字の話が多いように感じた。そういったサブカルっぽい部分に興味がある人には貴重な本だと思う。
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現在、インターネットはもはや実社会と対立するものではなく、インターネットなしに実社会は成立しなくなっている。英語話者のツイッターの投稿やメッセンジャーなどでのテキスト会話を題材に、リアルタイムで変化していく言葉づかいをカナダの言語学者が楽しくポジティブに考察していく。 ひと言...
現在、インターネットはもはや実社会と対立するものではなく、インターネットなしに実社会は成立しなくなっている。英語話者のツイッターの投稿やメッセンジャーなどでのテキスト会話を題材に、リアルタイムで変化していく言葉づかいをカナダの言語学者が楽しくポジティブに考察していく。 ひと言で言えば、本書はインターネットの普及によって21世紀に巻き起こっている〈言文一致運動〉の報告書だ。インターネット上のテキストは、書き言葉であると同時に話し言葉でもある、二つの性格を持っている。私たちは今、対面して話すときには伝わる細かなニュアンス——ジェスチャーや声のトーン、抑揚などをなんとか文字に落とし込もうと、無意識にインターネット上での新しい話し方を開拓している。しかも、この言文一致運動は権威が働きかけているのではない。若い世代ほど代謝が早く、敏感に反応する。 私はインターネット上のやりとりというと電子メールが中心だった時期を経て、メッセンジャー、そしてSNSに足を踏み入れた世代だ。自分のPCを持つのは遅かったので、本書の用語で言うと〈正インターネット人〉の後半世代? この時期に参入した人びとは、書き言葉と話し言葉の違いをインターネット上でも意識し続けており、メール時代の書式を保っている、とマカロックは言う。自分に照らし合わせるとその通りだと思う。ツイッターはほとんど話し言葉だけど、ブクログは完全に書き言葉だ。後から見返してアチャー…と思わない文章を心がけている(笑)。 デジタル・ネイティヴの世代は、書き言葉=フォーマルという認識自体が薄い。その代わり、ニュアンスを取りこぼさないよう、さまざまな工夫を凝らして細かな感情を伝えよう・読み取ろうとしている。本書で例に挙がるのは英語圏のやりとりだが、どこを大文字表記にするかやタイポグラフィックなルックにこだわるところは、日本でいう昔のギャル文字などと同じマインド。また、地方やコミュニティで単語の綴りが違う場合、標準的な綴りに寄るよりも、自分の所属するコミュニティ特有の綴りを強化する傾向が強いというのも面白かった。 記号や言葉の意味も世代によって読解が違ってしまう。年長者がピリオド代わりに多用する三点リーダが、若い人には何か言いたいことを隠している、裏のメッセージがある、と受け取られてしまうという。手紙をよく書いていた世代にとっては定型文でしかない「Dear(親愛なる) ◯◯」という呼びかけは、ただの知り合いに送るには馴れ馴れしすぎると思われてしまう。書き言葉として一旦形骸化した表現が、デジタル・ネイティヴによって再び本来の意味に立ち返っている。こういうくだけた実例を、マカロック自身のくだけた語りで解説していくのが楽しい。 そして本書は、言葉づかいが変わっていくことへのポジティブなバイブスにあふれている。自分にリプライを送ってきた相手に、大文字と小文字のニュアンスを混ぜたジョークで返事をし、「若者言葉を真剣に研究してくれてありがとう」と返されたというエピソードは、マカロックのスタンスをよく表している。ミーム画像を作ってバズった体験談や、ツイッターに生息する言語学クラスタの話などを語るマカロックは、ただの観察者になることがない。職場でも家庭でもない〈第三の場所〉としてのインターネット、という考え方も希望が持てるものだった。 私たちは「世代ごとに言語を作り直す」のだ、「言語は人類最大のオープンソース・プロジェクトなのだ」、という言葉で本書は幕を閉じる。権威から〈正しい〉と押し付けられた言葉づかいから解放された世界。言語学者と見る世界は明るい。
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