- 中古
- 書籍
- 書籍
20世紀のグローバル・ヒストリー 大人のための現代史入門
定価 ¥3,080
2,200円 定価より880円(28%)おトク
獲得ポイント20P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | ミネルヴァ書房 |
発売年月日 | 2021/09/02 |
JAN | 9784623091300 |
- 書籍
- 書籍
20世紀のグローバル・ヒストリー
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
20世紀のグローバル・ヒストリー
¥2,200
在庫なし
商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
近現代史のみスピンアウトした新たな教科書として使えそうだ、と興奮して読み始めた。前半は著者の主張も良い意味で激しく、ただの事実の羅列に深みも感じられ、視点もニュートラルで、自虐史観に偏らず、しかし、日本のしてきた事について時代背景や他国の実態と照らし合わせて述べる点でも公平さが見...
近現代史のみスピンアウトした新たな教科書として使えそうだ、と興奮して読み始めた。前半は著者の主張も良い意味で激しく、ただの事実の羅列に深みも感じられ、視点もニュートラルで、自虐史観に偏らず、しかし、日本のしてきた事について時代背景や他国の実態と照らし合わせて述べる点でも公平さが見える。残念なのは、後半になるにつれ淡々と時系列を整理するだけの、所謂無機質な教科書風味になっていく事と、編集により説明を省略した史実により、意図してかどうかは別として、結果的に偏りが生じて見えること。 近現代は、人種主義の歴史。自国を潤すために植民地を獲得し、色の違う人種を公然と差別してきた。その差別に抗おうと得た武力を、同じ人種のヒエラルキーに用いる。戦争が前提の国家関係ゆえ、自衛のためには他国の犠牲、弱者の犠牲は当然のものとし、それがエスカレートした挙句、軍隊の士気を削ぐためという理由で大量の民間人が虐殺される戦争の論法に至る。兵器も加速度的に進化して水爆の開発へ。二度の世界大戦を経て、ようやく人類は表向きは互いを武力で支配し合わない意識を得るが、未熟な状態は続く。 ー アメリカのアジア系移民に対する態度は、ヨーロッパ系の移民とは異なっていた。白人たちは黒人に対するのと同様に、アジア系移民を差別し、微しいバッシングを加えた。アジア系移民は、アメリカの白人にとって黒人以上に言語・文化・習慣の異なる異分子であり、人種主義の対象になったのである。こうして一八八二年、アメリカで中国人移民が禁止された。建国以来の自由移民の原則はやぶられたのである。アメリカと同様のことが、世界中で起こっていた。移民がグローバル化したことによって、様々な民族が移住し、現地コミュニティの生活空間に侵食する異分子として嫌悪の対象になっていく。労働移民はそうじて貧しく、使役される存在として人種差別され、それが「文明化の使命」によって増幅された。 ー 黄色人種を「わざわい」だとみなす黄福論は、アジアに対する人種主義にもとづいている。「文明化の使命」と移民によってアジア人に対する差別や嫌悪感が増幅された状況から、二〇世紀ははじまる。 ー 「アジア人の勝利」という単純化されたイメージは、世界中に衝撃をもたらした。欧米列強にとっては、黄色人種が白人の脅威になるという黄禍論が現実になったようであった。アメリカでは、移民排斥運動が激しくなった。すでに中国人移民に対する排斥運動がつづいていたが、同じ憎悪が日本人移民にも向けられた。「日本人が白人に勝った」という日露戦争の結果が持つイメージが、アメリカ白人の反感を呼んだのである。黄禍論がもりあがり、サンフランシスコで日本人学童に対する排斥運動が起こった。その後も日本人移民排斥運動はつづき、日米両国の関係は悪化していった。欧米との関係を悪化させたくない日本政府は、一九〇八年にアメリカと紳士協定を結び、労働目的の出国を自主規制することになった。人種主義国家アメリカは、日本人や中国人といったアジア系移民に対しても、黒人と同様の人種差別立法を適用した。日露戦争後にアメリカでもりあがった黄禍論は、黒人に対して当たり前のように行われていた人種主義の矛先が、アジア系移民に向けられたものだったのである。 ー 二〇世紀に入り、西洋列強によって支配され、人種主義の偏見にさらされたアジアの諸民族は、日露戦争によって民族運動を活発化させていった。イブラヒムや安重根の思想にみられるように、彼らは「東洋の連帯」を求めていた。しかし現実には、彼らが期待した日本は列強の側にあり、その同盟網によって民族運動を抑圧する立場にあったのである。 幽霊や妖怪、鬼や魔女。神や悪魔。寓話が寓話としてだけではなく、信仰として残る時代。つまり、科学が世の中を解明しきらぬ余白に対し、部族的な信仰のつけいる隙があり、共通言語は原理を追究する科学のみである。未熟さが文明発展の階差や一文明における教育の未達に残るから、この未熟な余白に対する恐怖が消せず、自衛を要し、武装する。世界は原理、因果、縁起が連鎖し規定されたものだと理解すれば解脱できそうだが、向かう先は変わらない。
Posted by
仕事柄、どうしても国際的な経済の動きを追いかけている。ここにきて、特にアメリカと中国との関係、中東の動向など、日増しにそれらの摩擦が激しくなるところで、いずれの登場人物もなかなか譲り合わなくなってきた。むしろ衝突がわかりきっているところを強行突破を続けている。妥協するということ...
仕事柄、どうしても国際的な経済の動きを追いかけている。ここにきて、特にアメリカと中国との関係、中東の動向など、日増しにそれらの摩擦が激しくなるところで、いずれの登場人物もなかなか譲り合わなくなってきた。むしろ衝突がわかりきっているところを強行突破を続けている。妥協するということは評価されなくなってきた。 そうしたところで本書の出番、まさにこの時勢にピッタリはまるものだろう。背景を知るというのは当然ながら将来に対する展望であり、そこが整理されていないと自分自身の判断の軸が定まらない。ここからどのように展開するのか。個人的な金融投資においても重要になることは疑いようがなく、溢れる情報の中を突き進んでいくときによくよく考えなければならない。
Posted by
来年から高校で「歴史総合」が始まりますが、近現代史を中心に、グローバルな内容とした必須科目となる由です。この本は元高校教師が書き上げたものですが、とっても良いです! 友人の教師は、指導要領で「近現代史は歴史認識が定まっていないので時間切れアウトにして大人になってからそれぞれ...
来年から高校で「歴史総合」が始まりますが、近現代史を中心に、グローバルな内容とした必須科目となる由です。この本は元高校教師が書き上げたものですが、とっても良いです! 友人の教師は、指導要領で「近現代史は歴史認識が定まっていないので時間切れアウトにして大人になってからそれぞれで勉強」するよう言われていたと語っていました。よって、一般の日本人は近現代史は疎く、こちらを中心に教育をする近隣諸国とは、歴史感を巡って常にズレが生じるとのことでしたが、これには見事に答えています。 1900年代から現代まで、一つの国・地域ではなく、まさに「グローバル」に展開しています。その時々の出来事がどう世界各国に影響を及ぼしたのか、底流を紐解きながら記述しており、とてもわかりやすいです。教科書的な記述で網羅的ではありますが、個別に理解していた事象に繋がりを持て、まさに副題にある「大人のための現代史入門」です! 日本が米国と戦争したことを知らない高校生が増えたようですが、「アジア太平洋戦争」(「歴史総合」では、「太平洋戦争」でも「大東亜戦争」でもなく、この用語を使う)など、しっかり勉強してほしいと思います(大人も頑張ります!)。
Posted by