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刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機 中公新書2655
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2021/08/18 |
JAN | 9784121026552 |
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刀伊の入寇
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商品レビュー
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17件のお客様レビュー
「刀伊の入寇」…高校で日本史を選択していてもサラッと用語のみの説明だけで終わることも多いだろう。しかし、古代日本の外交・国防を巡る上では重要な事件である。 刀伊の入寇そのものは雑に言ってしまうと「異民族の海賊のようなものが来たので撃退した」と言うだけであまり語られる部分は少ないの...
「刀伊の入寇」…高校で日本史を選択していてもサラッと用語のみの説明だけで終わることも多いだろう。しかし、古代日本の外交・国防を巡る上では重要な事件である。 刀伊の入寇そのものは雑に言ってしまうと「異民族の海賊のようなものが来たので撃退した」と言うだけであまり語られる部分は少ないのだが、なぜ侵入が起こったのか、当時の東アジア情勢を絡めて考察している。そこからは当時の朝廷が高麗をかなり警戒していたことなどが伺える。 また国内的な意義として、天慶の乱以来の兵(後の武士)の台頭の1プロセスであること、この時律令制度は形骸化していたと言われるが実はそれが一面の見方に過ぎないことなどが書かれている。
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書名から戦記物を期待すると、ちょっと肩透かしかもしれないが、教科書にほんの1ー2行ほどしかない事件も様々な角度から見ると歴史のダイナミックな動きの一端が見える好例であると思う。 奈良時代の律令という外に開かれ、中央集権、データ集積の時代を経て、次第に外に閉じて、律令のローカライズ...
書名から戦記物を期待すると、ちょっと肩透かしかもしれないが、教科書にほんの1ー2行ほどしかない事件も様々な角度から見ると歴史のダイナミックな動きの一端が見える好例であると思う。 奈良時代の律令という外に開かれ、中央集権、データ集積の時代を経て、次第に外に閉じて、律令のローカライズ、地方分権が進んだ時代へと移行していく中で起きた事件であった。 これを撃退したのは、従来型の徴兵された兵士だけでなく、藤原隆家とその私兵と思われる武士団、蝦夷から転戦してきたと思われる、軍事専門の官吏(下級貴族)などであった。 また、鎖国され情報が乏しいなかで海外に対して抱く強い劣等感と裏返しとしての優越感が増強されていくさまは安易に比較はできないが、現代にも通じるものがあると思う。 ある意味、現在もアメリカ一強の終焉、資本主義の行き詰まり、民主主義のポピュリズム化、コロナ危機を経て、鎖国ではないまでも穏やかに閉じた時代へ移行し、国内でも地方分権や民主主義の手直し、クリーン化などが行われるのだろう。 ここで興味深いのは貴族から武士の時代への変化の兆しは刀伊の襲来からも見て取れるが、武士というのが従来の権威と別に出現したのではなく、藤原隆家のような従来の権威と密接に結びついて出現したことであると思う。 地方や軍事に無関心な貴族と、その裏で地方の有力者が武装化し武士化していったというストーリーは、あまりにステレオタイプで実装と違い、軍事官僚と中央貴族との結びつきから武士が誕生したその中間がわかる事件であった。
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平安時代最大の対外危機である刀伊の入寇について、内と外の視点、前と後の視点から検証し、「海の日本史」の一端として描く。 日本史の教科書の脚注にちょびっと書かれていた記憶があるだけであまり具体的なイメージを持っていなかった刀伊の入寇が、古代から中世に移り変わっていく中での、特に軍制...
平安時代最大の対外危機である刀伊の入寇について、内と外の視点、前と後の視点から検証し、「海の日本史」の一端として描く。 日本史の教科書の脚注にちょびっと書かれていた記憶があるだけであまり具体的なイメージを持っていなかった刀伊の入寇が、古代から中世に移り変わっていく中での、特に軍制史的な観点から一つのエポックメーキングな出来事であったことについて理解が深まった。また、意外と日本側の被害が甚大であったことに吃驚した。 本書で紹介されている、刀伊に連れ去られた人や捕虜になった家族を奪還するために密航した人の体験談がとても興味深かった。こういう貴重な話が今に伝わるのも、藤原実資が詳細な日記を残してくれたからであり、実に有り難いことだと思う。
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