- 中古
- 書籍
- 新書
- 1226-29-02
どうしてルターの宗教改革は起こったか 第2版 ペストと社会史から見る
定価 ¥1,100
440円 定価より660円(60%)おトク
獲得ポイント4P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | ナカニシヤ出版 |
| 発売年月日 | 2021/08/16 |
| JAN | 9784779515859 |
- 書籍
- 新書
どうしてルターの宗教改革は起こったか 第2版
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
どうしてルターの宗教改革は起こったか 第2版
¥440
在庫なし
商品レビュー
0
1件のお客様レビュー
主なテーマと重要なアイデア ペストと社会史的影響: ヨーロッパにおけるペストの流行は、中世から近世にかけて断続的に繰り返され、特に14世紀の黒死病は人口の約3分の1から半分が死亡するなど、社会に壊滅的な影響を与えた。 ペストの流行は、人々の死生観、終末観、そして神に対するイメージ...
主なテーマと重要なアイデア ペストと社会史的影響: ヨーロッパにおけるペストの流行は、中世から近世にかけて断続的に繰り返され、特に14世紀の黒死病は人口の約3分の1から半分が死亡するなど、社会に壊滅的な影響を与えた。 ペストの流行は、人々の死生観、終末観、そして神に対するイメージを大きく変化させた。特に、ペスト流行期には、神は善き神というよりも、罰を与える「懲罰的な神」として捉えられるようになった。 ペストによる死の恐怖と社会の混乱は、従来の教会による救済システムや宗教的な実践への不信感を招き、新しい宗教観や救済への渇望を生み出した。 「懲罰的な神」の支配と心性: 中世ヨーロッパにおけるペスト流行期の人々は、自分たちの罪がペストという形で神の罰を受けていると考え、「懲罰的な神」の支配を強く意識した。 この神観念は、ルター自身の心性形成にも大きな影響を与えた。ルターは、罪の意識と神の怒りへの畏れから、修道院に入り、救済を求めた。 ペスト流行期の芸術作品にも、「懲罰的な神」や終末、地獄といったモチーフが多く見られる。 ルターの宗教改革とペストの影響: 本書は、ルターの宗教改革が、単に教会内の腐敗や神学的な問題に対する反発として起こったのではなく、ペストによる社会の混乱と人々の心性の変化という広範な社会史的文脈の中で理解されるべきであることを強調する。 ルターの宗教改革は、従来の教会による救済システム(贖宥状など)への不信というペスト流行期に高まった感情に応える形で受け入れられた。 ルターの提唱した「信仰のみ」による義認の教義は、善行や教会による儀式では救済が得られないというペスト流行期の人々の絶望感に響いた可能性がある。 ルターは、ペスト流行期に流布していた「恐ろしい死」や「懲罰的な神」といったイメージを、自身の教義の説明に効果的に利用した。 カトリック教会への批判と新しい宗教観: ルターは、従来のカトリック教会が、贖宥状の販売や聖遺物崇拝などを通じて、人々の不安や恐怖を利用していると批判した。 ルターは、聖書に基づいた新しい宗教観を提唱し、個人の信仰と神との直接的な関係を重視した。 この新しい宗教観は、ペスト流行期に従来の教会への不信感を募らせていた人々にとって魅力的なものであった。 ルターの心性とペスト: ルターは、ペストに対する恐怖を抱いていた一方、「神の思し召し」としてペストを受け入れる姿勢も示していた。 ルターは、ペスト流行期における人々の苦悩や死への恐怖を深く理解しており、それが彼の教義形成や牧会活動に影響を与えた。 重要な事実・引用 「ペストは宗教改革に作用した大きな要因の一つであった」(はじめに) 14世紀の黒死病について、「人口の三分のーに及んだといわれる。さらに、最近の精密な研究によって、その死率は人口の三分の一にとどまらず、四五パーセントから六〇パーセントといわれている」(P.3)。 ペスト流行期の人々は、「『懲罰的な神』の支配」を強く意識した。(P.27) ルターの宗教改革は、「ペストという社会史によって作り出された心性や、その時代における神のイメージの変遷と無縁ではありえない。」(P.32) ルターは、「贖宥状によって、罪の罰が軽減されるとか、煉獄の苦しみが減じられるといった教会の教え」を批判した。(P.114) ルターの提唱した「信仰のみによる義認」は、「ペスト流行期の人々が、善行や教会による儀式では救済が得られないという絶望感」に応えた可能性がある。 ルターは、ペストに対して、「神の思し召し」として受け入れる姿勢も示していた。(P.98) まとめ 本書は、ルターの宗教改革を、単なる神学論争や教会改革という枠を超え、ペストという疫病が中世ヨーロッパ社会に与えた広範な影響、特に人々の心性や宗教観の変化という視点から読み解くことで、その発生要因を深く理解することを試みている。ペストによる死の恐怖と「懲罰的な神」への畏れは、従来のカトリック教会への不信感を高め、ルターの提唱した新しい宗教観を受け入れる土壌を作り出した。したがって、ルターの宗教改革は、神学的・教会的な要因だけでなく、ペストという社会史的な要因とも密接に関連していたと言える。
Posted by 
