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自由の条件 普及版(Ⅲ) 福祉国家における自由
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 春秋社 |
| 発売年月日 | 2021/07/22 |
| JAN | 9784393622056 |
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自由の条件 普及版(Ⅲ)
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商品レビュー
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1件のお客様レビュー
当時の社会情勢にぴったりと沿って記述されているため、本書によって現在考えるべき自由のもたらす恵沢について十全に知ることはできない。例えば、 1.累進課税について、戦争によって平等性が強制的に実現された廃墟の平等からスタートした戦後経済では、所得課税によって犠牲の平等化が実現した...
当時の社会情勢にぴったりと沿って記述されているため、本書によって現在考えるべき自由のもたらす恵沢について十全に知ることはできない。例えば、 1.累進課税について、戦争によって平等性が強制的に実現された廃墟の平等からスタートした戦後経済では、所得課税によって犠牲の平等化が実現したことがすでに指摘されて久しい。しかし、労働所得よりも投資所得の方が上回る、つまり今現在握りしめている資産規模によって労働を遥かに上回る巨大なリターンが得られる現代人にとっては、所得課税による負担の分配は、「生硬な合理性」そのものであって、公正性を欠くことが言及されていない。 また、 2.保守主義について、ハイエクは保守主義とは「メリット」によって政治指導者を選任する傾向のこと、もしくはある種の実用的準則であって長期的政治原理を意味するものではないと述べている。ハイエクの言う通り、党であるならば、はっきりと言明された知的および道徳的原則を擁護するのであって、「保守主義」「中道主義」は党の政治活動の運営指針にすぎず、立党の綱領たり得ない。言われてみればその通りである。(「メリット」の信奉者は宗教右派であろうと私は思う。) 【引用】 3つの主義の相対的な位置について一般的に示される姿は、三者の真の関係をはっきりさせるよりも、むしろ曖昧にする。たいてい一直線上における異なる位置であらわされ、社会主義者は左、保守主義者は右、自由主義者は中間のどこかに位置する。これほど誤解を招くものはない。もし図式を望むならば、それらを三角形に配置し、保守主義者が一角を占め、社会主義者が第二番目の角に向い、自由主義者が第三番目の角に向うように組立てるのがいっそう適切である。しかし社会主義者は長いあいだより強く引っぱることができたので、保守主義者は自由主義的方向よりも社会主義的方向に従う傾向があったし、また急進派の宣伝によって尊敬すべきものとされた考え方を適時取りいれてきた。社会主義と妥協し、その考え方を横取りしてきたのは一様に保守主義者であった。自分自身の目的をもたない中道(the Middle Way)の主唱者である保守主義者は両極端のあいだのどこかに真理があるはずであるとの信念に従ってきた。その結果、保守主義者はいつのときもいずれの方向にせよ、極端な動きを示したほうへ自分たちの位置を移してきたのである。(pp.195)
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