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行く、行った、行ってしまった エクス・リブリス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2021/07/15 |
JAN | 9784560090688 |
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商品レビュー
4.3
17件のお客様レビュー
難民問題に対してモヤモヤしていたことをうまく言語化してくれている 人生って結局運だよなって思う 神にすがりたくなる気持ちもわかる
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退官した大学教授、リヒャルトはふとした興味からアフリカからの難民と付き合うようになるが、そこで目の当たりにするのはみんなそれぞれの人生を生きる一人の人間であり、できれば難民問題などには触れたくない国家の本音という制度であり、国という枠組みの隙間に落ちてしまう難民たちの苦難と困難だ...
退官した大学教授、リヒャルトはふとした興味からアフリカからの難民と付き合うようになるが、そこで目の当たりにするのはみんなそれぞれの人生を生きる一人の人間であり、できれば難民問題などには触れたくない国家の本音という制度であり、国という枠組みの隙間に落ちてしまう難民たちの苦難と困難だった。 「難民は、制度が定めるゆえに難民なのではなく、難民ゆえに難民なのである」 そんな言葉を、最近どこかで読みました。UNHCRとかそのへんの人だったかしら。 災害や戦火で地域を追い出された人たちは命の危険にさらされるがゆえに、慣れ親しんだ土地を離れなければならない、そんな困難な状況に陥った人を助けるべきなのは、特に経済的に豊かな国には当然の義務とされています。日本は難民の受け入れには非常に後ろ向きで、そのことに批判が多いのはよく知られたことです。ところがウクライナ戦争が起きてからは積極的に受け入れる姿勢を見せるようになりました。ただし、難民ではなく「避難民」と言い換えて。さて、何が違うのだろう。難民は難民ゆえに難民であるならば、ウクライナで焼け出された人とシリアで焼け出された人は、何が違うから名称が違って受け入れ態勢が違うのだろう。 どの国も難民問題については基本的に目を背けたい。その中で、比較的難民の受け入れに積極的だったのがドイツのメルケル政権でした。シリアの人道危機の際には100万人規模の受け入れを行ったといいます。この本は、そんなドイツ・ベルリンのお話です。 登場する難民たちはアフリカ、リビアやニジェールなどからエスニッククレンジングや紛争の混乱から逃れ、あるいは追い出され、命がけで地中海を渡り、一度イタリアに入国し、そこからドイツへ向かいました。そういうケースの場合、難民申請をするにはとても高いハードルになるのだそう(ダブリンII規約)。そして彼らがたどりついたベルリンのオラニエン広場から滞留施設に収容され、行政から滞留の検討結果が出されるまでの経過や、難民ひとりひとりがどんな目にあったか、どんな暮らしをしていてどんな将来を夢見ているかなどを、東ドイツ出身で、東西ドイツ統一で彼らと同じように国を失った元大学教授のリヒャルトの目を通して見ていくのです。 結末はとても悲しいもので、国の制度が(ドイツといえども)とても一人の人間を見て作られたものとは思えない冷たさで、困難に直面した人がどうしていいのかわからない絶望に叩き込まれてしまう過程は本当に胸が痛くなりました。しかしまた、逆に主人公を含む一般の市民ひとりひとりが難民と接する暖かさのようなものが対比的に描かれているのが印象的です(怖がる人ももちろんいるのですが)。こうした「困った人を助ける」という当たり前のことすら難しくしてしまう国家という枠組みって、いったい何のため、誰のためにあるんだろうか、と、素朴に思ってしまう悲しさがありました。 以上のように、お話自体は社会派で重量感があるのですが、文章はとてもリズムがあって読んでいてストレスがなく、主人公リヒャルトの造形も、不倫してたりドイツ語教師に老いらくの恋を発揮したりと等身大に描かれていて、(難民たちを含め)一人一人が浮き立ってくるような丁寧な描写でとても良かったです。こうした表現の部分などは訳者の浅井さんの腕もあるのかもしれませんが。 文章の巧さや読者に提起する問題とテーマ性など、総合的に見てもすごく良い出来だと思いました。
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久しぶりに翻訳小説を読みました。「行く、行った、行ってしまった」という、この作品の題名に、なんだこれ?思って読み始めたのですが、エルペンベックという作家が1967年に東ベルリンで生まれた人だということが、作品の内容とその不思議な題名とに 強く結びついていたことに納得して読み終え...
久しぶりに翻訳小説を読みました。「行く、行った、行ってしまった」という、この作品の題名に、なんだこれ?思って読み始めたのですが、エルペンベックという作家が1967年に東ベルリンで生まれた人だということが、作品の内容とその不思議な題名とに 強く結びついていたことに納得して読み終えました。 題名は動詞の時勢変化ですが、時間とともに空間もまた変化せざるを得ない「行く」という動詞を使った結果、当然、浮かんでくる「来る」というイメージが引き起こす現実を描いたところが卓抜だと思いました。 個人的な好みの問題に過ぎないのかもしれませんが、国家であるとか宗教であるとかいう、共同的な大きなものに疑いの眼差しを持つことを促す作品が好きですが、現代のヨーロッパ社会が政治的、宗教的な理由を抱えた難民や移民の問題を「真面目に」考えざるを得ないのでしょうね、小説でも映画でも作品のテーマとしてよく出てきますが、この作品も、そこを一つの主題として描かれていることに強く惹かれました。 ブログにもあれこれ書きました。覗いてやってくださいね(笑)。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202209230000/
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