花岡の心を受け継ぐ 大館市が中国人犠牲者を慰霊し続ける理由

石田寛(著者), 小畑元(著者), 川田繁幸(著者), 内田雅敏(著者), 山本陽一(著者), 谷地田恒夫(著者), 池田香代子

• 販売会社／発売会社: かもがわ出版
• 発売年月日: 2021/07/13
• JAN: 9784780311686

商品レビュー

2021/09/21

日本にある慰霊碑の多くは日本人のための慰霊碑だ。戦争で犠牲になったのは日本人だけではない。捕虜や強制連行された外国の人も色々な理由で死亡されている。花岡町で殺害された中国人犠牲者を慰霊する大館市のみなさんの心意気に感動。個人が行政を動かし国が関わらずをえなくなるまで広がっていく。つまり、運動は続けることが大事なんだ。

2021/09/04

この70年間、保守、革新いずれの時代も花岡事件の犠牲となった中国人強制労働者の慰霊を続けてきた大館市。そうした動きを作り出したのには色々な巡り合わせがあったにしても、根本には、かわいそうなことをした、申し訳ないという人としてのまともな感情があればこそ。今年も朝鮮人虐殺の追悼式に追悼文を出さなかった都知事との違いは歴然。

花岡事件の和解に続く、西松建設、三菱マテリアルの和解についての内田弁護士との対談も非常に興味深かった。裁判官の中には、どうやって法の限界を超えて、正義を遂行するか手を尽くしている人がいるというのが救い。それにしても、企業側の意志で和解に進めた三菱マテリアルの事例からそんなに経っていないのに、今や政権が前面に出て当事者同士の和解をさせなくなっている今の状況はあまりにひどいと思わざるを得ない。