震えたのは

岩崎航(著者)

• 販売会社／発売会社: ナナロク社
• 発売年月日: 2021/06/19
• JAN: 9784867320044

商品レビュー

2024/06/08

青空のような美しい表紙に惹かれて手に取った本。
自分の心にもある感覚が言語化されていて、そうそう、この気持ち……と思いつつ読みました。美しくまとめてくださっていると、なんだか嬉しくなりますね。自分のものではないのに。

2024/06/08　最初-p.157

p.11
“
夜　おもてに出て
あなたと一緒に月を見たい
”
すてき。大切な人たちとお月見したいです。

p.20
“
それぞれの
一歩、一歩を
よろこびあえる人がいる
”
転職がうまくいったとか、正社員になれたとか、お互いの報告をお互いに喜び合える関係性の人が好きです。有り難いです。

p.20
“
お花見散歩の
かたわらを
きまぐれ野良猫
つかず離れず
しばしのお伴（とも）
”
ふふ、いいですね。この光景を想像して、ほっこりしました。

p.24
“
気さくにポンと
肩を叩いて
スッと去っていく
微風（そよかぜ）のような
言葉がある
”
そんなことばを渡せる人になりたいものです。

p.26
“
時にも洗われて
だんだんに
自己治癒していった
心の軌跡を
大切にする
”
時と周りのお優しい人々によって、わたしの心は治ってきたのだと思います。まだ、時々血が滲むけれど。瘡蓋だらけでも、なんとか、暮らしています。

p.31
“
あなたの
こころの宝ものを見ていたら
溢れてきた
ぼくの
こころの宝もの
”
すてき。他人の宝ものを大切にできる人って、すてき。

p.38
“
こう何かしら
生活の中から
浮かんでくる
よろこびに気がつくと
力が増している
”
小さなしあわせに気づける心でいたいです。
日々の当たり前を当たり前と受け止めずに、その中の喜びをひとつひとつ掬い上げて味わって、また歩いていく原動力にしたいです。

p.44
“
輝きと
なる
一日がある
”
輝かせるのは自分自身です、きっと。光があっても目をつぶっていたら気がつかないですから。先ずは、見つめること。

p.45
“
あったかいな
すてきだな
かわいらしいな
きれいだな
ほら、止めた心も動きだす
”
カウンセリングで、感情をメモするようにアドバイスいただいたのですけれど、全然書けなくてびっくりしました。自分の感情をあまりにも流してしまっているようです……。
「すてき」とか「きれい」とか、よく使っていることばです。だから、完全に心が止まっているわけではなかったのだなぁと、この詩を読んで感じました。それらをもっと意識して、ことばにして、記録していけば良いのかもしれません。

p.59
”
日常の
小さな出来ごとの中に
おだやかな光が放たれている
身をかがめて
こころを向け、拾う
”
拾い続けていきたいです、日常の小さな光。

p.96
”
互いの中に生きる
幼子（おさなご）を
慈しめばよい
子のないぼくらの
人生の味わいかた
”
そんな風にして、ふたり、暮らしていきたいです。パートナーさんと。

p.106
”
受け入れるのが
デフォルトで
それが
唯一の処世術と
なっていた頃
”
何度もなんども、僕らは自分の心をころしてきました。そうでもしないと耐えられなかったから。

p.152
”その詩の合間にはブックデザイナー鈴木千佳子さんの提案で、兄で画家の岩崎健一の花の絵を水色の彩色で配しています。”
この本のすてきなところ。表示や扉等の水色も、もちろん美しいのですけれど、絵も素晴らしいです。
ことばの世界観を、魅力を、より引き立てる本のつくりになっていますね。