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ロデリック・ハドソン 講談社文芸文庫
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ロデリック・ハドソン 講談社文芸文庫

ヘンリー・ジェイムズ(著者), 行方昭夫(訳者)

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ロデリック・ハドソン 講談社文芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2021/06/14
JAN 9784065236154

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商品レビュー

4.5

2件のお客様レビュー

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2022/08/18

 1874年作。  ヘンリー・ジェイムズではあるが最初期の長編なので「そうでもないかな」と思って読んでみたら、これがかなり良い作品だった。  かなり厚めの文庫本で2分冊にしても十分良いくらいなのだが、また、ジェイムズならではの緻密で濃度の高い地の文がぎっしりつまっているのだが、プ...

 1874年作。  ヘンリー・ジェイムズではあるが最初期の長編なので「そうでもないかな」と思って読んでみたら、これがかなり良い作品だった。  かなり厚めの文庫本で2分冊にしても十分良いくらいなのだが、また、ジェイムズならではの緻密で濃度の高い地の文がぎっしりつまっているのだが、プロットがほどよく進展していき、人物への興味もかき立てられるので、最後まで楽しく読んだ。  主人公の青年ロデリック・ハドソンが視点となっている(ほとんど「私」の)人物、ローランドに見いだされ、アメリカからローマへと移住して、彫刻家デビューを果たす。沢山の芸術家が登場し、芸術(美術)界隈の刺激的な雰囲気が描出されていくが、ローマで出会った絶世の美女クリスチーナの魅力に囚われて芸術家としては挫折し、身を滅ぼしていくという物語だ。ロデリックとクリスチーナはかなり風変わりの人間で、とりわけクリスチーナは何を考えているんだかよく分からない、謎に満ちた存在である。この点、中期以降のヘンリー・ジェイムズに顕著に見られる「視点」の技法、他者の不可解性、謎だらけで五里霧中の生活、といった特色が早くも出そろっていて驚いた。クリスチーナの結婚という最大の転機はその理由が謎のままで、ローランドらが勝手に「推測」するだけである。ロデリックとクリスチーナとのあいだに実際はどんな言動の交流があるのかも、ローランドにはなかなか知ることが出来ない。  いずれにしても人間の心理を深く追究してゆくというジェイムズのスタイルはこの最初期において既に十分な達成を見ている。最初期ということで油断してしまうが、実はかなりの傑作ではないかと思う。

Posted by ブクログ

2021/10/06

2,400円もするし、解説まで入れたら600ページくらいあるし、すごく読み応えがあった。小説としてのストーリーはそんなでもないのだけれど、登場人物の心理描写は深く、面白かった。 まあ、夏目漱石が書いた、三四郎とかこころとかの少し退廃的な、放蕩息子たちが織りなした心理描写に近いも...

2,400円もするし、解説まで入れたら600ページくらいあるし、すごく読み応えがあった。小説としてのストーリーはそんなでもないのだけれど、登場人物の心理描写は深く、面白かった。 まあ、夏目漱石が書いた、三四郎とかこころとかの少し退廃的な、放蕩息子たちが織りなした心理描写に近いものがあるように感じた。 大学時代、その放蕩息子たちの様な境遇にすごく憧れていたことを思い出したが、この、ロデリックハドソンの様にここまで人を愛することは、俺には出来ないだろうな。

Posted by ブクログ

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