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大乗仏教の誕生 「さとり」と「廻向」 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2021/06/10 |
JAN | 9784065237823 |
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大乗仏教の誕生
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
歴史上のブッダは本当はどんな人でどんなことを考えていたのか、というのは、とても興味深い問いで、そういう本はたくさん出ている。そういうのがあれば、わりと読んでしまうのだが、何冊か読む中で大体のところが見えてきた。 で、次なる疑問は、「大乗仏教」はどのように生じたかということで、そ...
歴史上のブッダは本当はどんな人でどんなことを考えていたのか、というのは、とても興味深い問いで、そういう本はたくさん出ている。そういうのがあれば、わりと読んでしまうのだが、何冊か読む中で大体のところが見えてきた。 で、次なる疑問は、「大乗仏教」はどのように生じたかということで、その辺りの私がまだよくわかってない領域で、ズバリのタイトルのこの本を読んでみた。 これはとても読みやすい本で、かつ知らないことがたくさんあって、眼から鱗がたくさん落ちた。 一時、仏典と聖書に登場するエピソードに類似するものがあり、それは仏教から聖書への影響があるのでないかという研究が 19世紀にあった。が、調べていくと偶然似ているだけのものもあるだけだったり、テキストとしての成立の時代を吟味すると、聖書より後に仏典に類似したエピソードが追加されたと考える方が良さそうな状況らしい。 で、キリスト教が仏教に影響したのかというより、むしろゾロアスター教が、仏教とキリスト教の両方に影響を与えたと考えた方が自然だと著者はいう。このあたりの論考は、すごく面白い。 で、そこから話しは、より具体的に大乗仏教の成立についての論考に入っていき、歴史的な状況、仏教内部での派閥争い、輪廻概念の変化、空の理論の発見などなどが説明されて、説得力がある。 こういう仏教関係の本は、仏典を細かく分析していくところから議論を進めるものが多く、素人的には大体途中でわからなくなっていくのだが、この本は、テキストも紹介しつつも、当時の時代背景を分析していく中で、大乗仏教が生まれた原因を分析していく感じで書かれている。 あと、仏教における終末論がとても面白かった。仏教の世界観というか宇宙観がわかって、面白くて、ある意味、キリスト教的なところもあると思いつつも、結局、みんな救われるところが面白いし、終末を待たずとも今救済が可能なところがすごいなと思った。
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非常に平易な文章で書かれており、読み易いです。とは言え、ジャーゴンを習得していない門外漢として読み始めたところ、やはり二、三度以上は再読しないと最低限の理解にすら及ばないかなあと感じました。少しずつ再読してみます。ゾロアスター教に幾つかの宗教のルーツがあり、仏教もその揺曳であった...
非常に平易な文章で書かれており、読み易いです。とは言え、ジャーゴンを習得していない門外漢として読み始めたところ、やはり二、三度以上は再読しないと最低限の理解にすら及ばないかなあと感じました。少しずつ再読してみます。ゾロアスター教に幾つかの宗教のルーツがあり、仏教もその揺曳であった、というお話。成る程。
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多数の経典を元に原始仏教から大乗仏教のおこりを概説。 前半のキリスト教などの対応の紹介などは余り関心は抱かなかったが、インドにおける他民族侵略の時代背景や修行に専念することが可能な聖者のみに救いの可能性がある小乗から、民衆へ救いの手を広げる大乗へとの繋がりは比較的わかりやすく読め...
多数の経典を元に原始仏教から大乗仏教のおこりを概説。 前半のキリスト教などの対応の紹介などは余り関心は抱かなかったが、インドにおける他民族侵略の時代背景や修行に専念することが可能な聖者のみに救いの可能性がある小乗から、民衆へ救いの手を広げる大乗へとの繋がりは比較的わかりやすく読めた。 副題のさとりと廻向の論理も丁寧。 (途中期間を空けて読んでしまったので、文献や用語についていけなかったりはしたが) 不勉強ではあるものの個人的に多くの宗教は排他的であるように見えたり、死後の世界を信じていないことから信仰心はないものの、その中で仏教の無常感や数十億年単位の時代・宇宙観、現世利益と距離を置くところには興味は感じている。 本書が仏教の入門書としては適当という訳ではないが、機会があれば他の本も読んでいきたい。
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