最強騎士様と大人の二人旅 ハニー文庫

山野辺りり(著者), うすくち(イラスト)

• 販売会社／発売会社: 二見書房
• 発売年月日: 2021/06/11
• JAN: 9784576210834

商品レビュー

2021/06/27

ジュリアが本当に頑張り屋で、殺人事件の現場を目撃し命を狙われる立場でありながら、それでも他者への気遣いや優しさを忘れないいい子で。
この世界では忌避されることもある獣人への理解もある。
旅の最中にリントヴェールに惹かれながらも、浮かれている場合ではないと必死に自分を律し、やはり相手を気遣う。
そりゃリントヴェールもそんな彼女にやられてしまうだろう。
まさしく理想の相手。
そんな相手が唯一の人だったのだから、彼は幸運以外の何者でもない。

大人の二人旅となっているが、リントヴェールが色々な意味で規格外なので（本当に色々な意味で……時折常識が通じないことがある）予想しない方向で二人の話が食い違うこともあったり、「大人」な雰囲気の旅というより、途中まではハチャメチャとまではいかないにしろ珍道中に近かった気がする。
リントヴェールが寧ろ駄々っ子のお子様で、ジュリアがそれを引率する先生みたいな感じで。
場合が場合なので一線を越えるまでに時間（及びページ数）もかかるから余計か。
ジュリアもまた本当にいい子だから、相手からの好意を恋愛感情や欲情ではなく、護衛としてのお仕事だから優しくしてくれていると捉えちゃう子だし。
だから場合が場合なので、安易に恋愛に走れる状況ではないので。
恋愛面では、このすれ違いや状況のせいで前途多難だったと思う。

最終的には命の危機にも見舞われながら、リントヴェールの規格外の力とジュリアの何事も受け止める懐の広さと優しさで危機を乗り越え、無事にお役目も果たせた模様。
無事に二人は結ばれたし、その後はリントヴェールの一族ならではの溺愛ぶりが待っているのだろう。
ジュリアが一生懸命頑張ってきたのは間違いないので、是非甘やかしてやってほしい。
まあリントヴェールなら言われなくても溺愛すると思うが（寧ろしすぎてジュリアが潰れちゃわないか心配である）