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汚れなき子 小学館文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 小学館 |
| 発売年月日 | 2021/06/07 |
| JAN | 9784094068054 |
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汚れなき子
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商品レビュー
3.5
9件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ドイツ発女性作家のミステリサスペンス。テーマは誘拐だが複雑な構成で、事件の形が新しく、幼い子供がいる家族の暮らしがあるところが人気の秘訣かもしれない。立場が違う関係者の語りだけの作品で面白い。 ※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。 身分証明もない謎の母子がトラックにぶつかって病院に運ばれた。子供は軽傷で、母親は重傷だが生きていた。 ハナ13歳。母の名はレナ(実はヤスミン)、あのとき車のライトが眩しかった。「パパは?」 電話もない、家の場所も分からない。「私たち見つかっちゃいけないんだよ」 ヤスミン、肋骨骨折、骨膜下血腫。父母の思い出と夫のべとついた体と海の風と波の音。聞きなれない音がしている。 ハナ、ママはうっかりものなの。パパを殺そうとしたの。でも大丈夫うちで弟のヨナタンが綺麗にしているから。 老いた父マティアスは14年待った、娘のレナは行方不明のままだ。友人の警官たちは今も探し続けてくれている。 レナが見つかって保護されたって?本当なのか。 だがレナではなかった。しかし、ちらっと見た年の割に小柄な少女は昔のレナにそっくりだ。 ハナという子供はレナの子だ孫だと確信した。 大きな分厚い本を抱えたハナは本の中から膨大な知識を取り出して天才的な記憶力で日常の出来事を見通している。小屋の生活は外とは距離があるが、豊富な言葉でできた知識は夢や希望を与えて彼女の暮らしを支えてきた。外を知らなければ内もない。 森の中の鍵のかかった小屋の中が安全な宇宙だ。厳しい時間のルールを守れば、食事を与えられ風呂に入れてもらえる宇宙。 ハナにとっては異様な生活が正常な日常。居なくなった優しい母の代わりに来た母も母らしい母。父が母らしい母を連れてきてくれる。 ヤスミンはスノードームで男を殴って逃げた。子供の父親だという男の顔が復元された。 ヤスミンや子供たちの血液型が調べられた。 科学は誘拐の謎に迫っていくが、子供たちが生きて育んできた世界は想像もつかない一人の男が作り出した暮らしだった。 森に隠された小屋。二重生活を送ってきた男。レナと呼ぶ二人目の母親。 娘が行方不明のままに孫だけが帰ってきた祖父母の複雑な心境。 ハナは「見つかってしまった」が今は失ったものはない。 ヤスミンは思う。今が宇宙だ。新しくも古くもない世界で将来に希望もある。 死んだ男にはなかった解放された未来が見える。 このありふれたテーマだと思える誘拐事件をきちんと納めて、優れたプロットを組み合わせて読ませてくれた作者に拍手。
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※このレビューにはネタバレを含みます
映画の予告編をチラッと見て気になった本。 誘拐・監禁系だから胸糞なのは覚悟していたけど、予想していた胸糞よりも違う胸糞が心に残った。 この本に出てくる登場人物に絶対的被害者はいない。私の感覚や価値観が一般的だとしたら、そこに悪意があるかどうか、そしてその悪意がどんな動機の下で形成され、どの程度のものかが違うだけ。 やはり怖いのは人なんだな、ということを改めて感じた。
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交通事故にあった母子が救急病院に搬送される。重症の母レナと、現場に居合わせた娘のハナ。 ハナへの聞き取りにより、父親に生活の全てを管理・支配される異様な生活が徐々に明らかになる。 一方、14年前に行方不明になった娘レナを探し続けていたマティアスは、レナが見つかったかもしれないとの知らせを受けて救急搬送されたレナの身元を確認するが、はっきりとレナとは別人であると言う。しかし病院で見かけたハナはマティアスの娘のレナに瓜二つだった。 事故にあった『レナ』は誰なのか、マティアスの娘のレナはどこにいるのか、そしてハナと2人のレナとの関係は何なのか。 ↑の冒頭部分だけでも謎だらけで面白い。そして読み進めていけばさらにどんどん面白くなる。 拉致監禁されて異様な家族の一員となることを強要された恐怖の日々はもちろん、脱出後もトラウマに苦しむ女性。 14年前の行方不明事件でレナを貶める内容の記事を書くマスコミや、成果を上げない警察、さらにはレナを名乗りながら事件の詳細を語らない被害女性にも苛立ちを感じてしまうマティアス。 人生全てを森の小屋の中だけで過ごし、賢いけど歪な少女ハナ。 この3人の視点からストーリーが展開する。 犯人は何者だったのか、事故当日に小屋で何があったのか、レナはどうなったのか… 少しずつ事件の全貌が見えてくるワクワク感で一気に読めた。 『私たちは誰だって、その愛のせいで様々な形の化け物になってしまう。』 この言葉がすごく印象に残った。
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