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音楽教育のススメ これからの時代を生きるすべての子どもたちへ
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音楽教育のススメ これからの時代を生きるすべての子どもたちへ

小林洋子(著者), 沼田峰紀(著者)

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音楽教育のススメ これからの時代を生きるすべての子どもたちへ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻冬舎メディアコンサルティング/幻冬舎
発売年月日 2021/05/26
JAN 9784344931060

音楽教育のススメ

¥220

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2021/09/20
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 「個人教室から規模を拡大し、複数の講師が所属し複数の教室を運営している」(p.137)という形態で、幼児から大人までを対象にした音楽教室を都内で主催する著者が、日本の音楽教育の簡単な歴史や、音楽教育を通して養われる「感性」、「論理的思考力」、「自己表現力」とはどのようなものなのかを解説する本。  とても分かりやすくあっという間に読めてしまうし、言いたいことは明快なのだが、イマイチ深まらない感じが拭えない。「論理的思考力」というのは要するに和音とか曲の構成とか、つまり楽典の知識を駆使して曲を分析していく力、のことを言うのだろうが、結局はちゃんと音楽の理論を知っているか知らないか、どれだけこれまで音楽に触れたかによる経験値によるものだと思うので、知識を当てはめて応用するというだけでは「論理的思考力」とは言えないんじゃないかと思う。なぜそういう理論になっているのかを科学的に、論理が飛躍することなく順序立てて説明できるということだったら論理的思考力と言えるのかもしれないけど、そこまでのことは求められていない訳なので、納得できなかった。音楽が数学や哲学と関わりが深いことがアインシュタインや古代ギリシアの教育、開成学園の教育を例に出して説明されるが、その話と、本書で言う「論理的思考力」の話に、それこそ論理的なつながりがないように思える。「論理的思考はビジネス書などで『ロジカル・シンキング』として紹介されることもあり、プレゼンテーションなどで相手に伝わりやすいように、理路整然と説明するための手段のようにも思われがちですが、本書で扱う『論理的思考』とは、もっと広く柔軟なものです。ここでの『論理的思考』とは、社会的規範や常識など、それまで当然と考えられていた認識や考え方に客観的な視点をもたらし、本当の意味で理にかなっているのかを考え、物事の本質にアプローチするために役立つ思考法なのです。」(p.83)と言われても、聞こえは良いけれども結局そこまで大袈裟なことでもないんじゃないか、と思ってしまう。  同様に、「感性」が豊かになることの利点として「未知なる問題にぶつかったときには、『何かおかしい』という気づきから、『では、何がおかしいのか』と考えを進めて、具体的な問題を見いだし、解決に向かっていくことになる」(p.59)のに役立つらしいが、「気づく」まではそうかもしれないけど、そこから先は感性の問題ではないし、理論を勉強して当てはめていくだけで解決するようなものは論理的思考力が必要な問題でもないんじゃないかと思う。  ということで、音楽教育の意義にそんな、言ってしまえば俗っぽいビジネス書の概念を用いなくても、「感性が豊かになる」、「音楽を楽しむことが生涯学習の支えになる」とか、もっと明らかな部分を掘り下げるだけで十分だったんじゃないのか、逆に分かりやすい聞こえの良い利点、功利主義?実用主義?的な話を並べただけではかえって音楽教育の価値は貶められるのではないか、とすら思ってしまった。あるいは日本の音楽教育史の部分を掘り下げて、例えば「徳性を涵養する」とはどういうことなのか、なぜこういう唱歌が選ばれたのか、その唱歌に共通する音楽的特徴とか、そういうことを語ってもらった方が読み物としては面白い。  おそらくは小さな子どもを持つ、教育熱心なパパママ向けだろうけど、この本で完全に説得されてしまうパパママに育てられる子どもというのもどうなんだろう、純粋に音楽を楽しませてあげたい、という気持ちにはならないのだろうか、と思った。あと、このブクログで紐づけられている著者の「小林洋子」のプロフィールは別人のプロフィールだと思う。(21/09/17)

Posted by ブクログ

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