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生物に学ぶガラパゴス・イノベーション
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京書籍 |
発売年月日 | 2021/05/26 |
JAN | 9784487814954 |
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生物に学ぶガラパゴス・イノベーション
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
ガラパゴス携帯(ガラケー)というものがある。1990年から2000年初頭にかけて開発された、国際基準でない日本独自の機能を備えた携帯電話のことだ。決済機能を搭載するなど日本らしい「便利さ」を追求してキャリアや端末メーカーが鎬を削って開発した。ガラパゴス諸島にすむ生き物たちの独自の...
ガラパゴス携帯(ガラケー)というものがある。1990年から2000年初頭にかけて開発された、国際基準でない日本独自の機能を備えた携帯電話のことだ。決済機能を搭載するなど日本らしい「便利さ」を追求してキャリアや端末メーカーが鎬を削って開発した。ガラパゴス諸島にすむ生き物たちの独自の進化になぞらえて表現された用語だが、残念ながら世界的にヒットすることはなく、携帯電話市場で大敗を記すことになった。 ガラパゴス携帯という言葉は、日本市場において失敗例として扱われる。 この本はガラパゴス諸島に生きる生きものの戦略を解説し、島という特殊環境の中での弱点と強み、生存する生きもののニッチを紹介している。それを日本市場で活かしていくにはどうすればいいか、と生きものの生存戦略と市場の生存戦略における共通点を探ろうとした一冊だ。 結論から言うと、ビジネス書としては非常に弱い。この本から学ぶべきことは、この本を叩き台にして考えていくことにあると思う。一から十までビジネス視点で考察されていないことに注意が必要だ。どちらかというと生物学的な専門書と言える。 巻末に「ガラパゴス的」な事例がある。日本の独自技術が成功している例のみ挙げており、上記で記した携帯電話の事例がないのが残念。成功と失敗を両方とも挙げてもっと厚みを持たせたら、何故日本市場が世界に弱い部分があるのか見えてくるような気がするのだが。 筆者の本は多く読んできているが、この本に関しては消化不良、という感想を抱いた。
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ニッチという考え方に興味を抱いた。各個のオンリーワンである場所。自分自身のニッチって何だろう?どこだろう? ニッチという言葉は使命と言い換えてもいいかもしれない。自分の使命とは?そんなことを考えさせてくれる本だ。
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稲垣栄洋氏の本は分かりやすく、未知の世界に触れられるので面白い。今回はガラパゴス諸島。しかし、植物学者の著者、本作ではビジネス本に挑戦!という趣の内容で、しかし、これが中々どうしてこの二つの分野の共通点を発見し、更に読書が面白さを増す。 ガラパゴス諸島では、体重200キロを超え...
稲垣栄洋氏の本は分かりやすく、未知の世界に触れられるので面白い。今回はガラパゴス諸島。しかし、植物学者の著者、本作ではビジネス本に挑戦!という趣の内容で、しかし、これが中々どうしてこの二つの分野の共通点を発見し、更に読書が面白さを増す。 ガラパゴス諸島では、体重200キロを超えるような「ガラパゴスゾウガメ」が草食動物のように草を食べている。ガラパゴスとは、そもそもスペイン語でゾウガメを意味する。ガラパゴスには、飛べない鳥がいる。赤道下なのにペンギンもいる。 ガラパゴスだけではなく、島嶼で進化を遂げた生物たちの多くは、大陸からやってきた外来種に追いやられて絶滅の危機に瀕している。島の中の競争はマイルドで、群雄割拠の大陸の環境に比べると島の生物は競争に弱い。グローバル企業の攻撃に右往左往する日本のビジネスを思い出す。 ビジネスで使われるニッチと言う言葉も、もともとは生物学の用語らしい。生物学では、生態的地位と訳される。生物の世界でも様々なものを餌にできるジェネラリストと、特定の環境や特定の餌を専門にするスペシャリストがいる。 島の法則、アイランドルールと呼ばれるものが存在する。孤立化した小さな島では、鹿や猪のような大きな動物が小さく矮小化し、ネズミやウサギのような小さな生物が巨大化する。この現象は島嶼化と呼ばれ、発見者の名をとってフォスターの法則とも呼ばれている。 読み進めながら、知らない生き物の名前に出会い、ネットで画像検索する。指に乗るサイズのミクロヒメカメレオンがとにかく可愛い。経済学、生物学、進化論、植物学と共に、動物園、いやガラパゴス諸島へのバーチャル旅行ができた気分だ。
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