そのひと皿にめぐりあうとき

福澤徹三(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2021/05/25
• JAN: 9784334914066

商品レビュー

2023/06/30

父を戦地で、母を空襲で亡くし戦災孤児となった里見滋、コロナ禍で父の会社が倒産、自らもコロナに罹り学校に居づらくなり休学に追い込まれた洲崎駿。1946年の滋と2020年の駿のストーリーが交互に描かれる。

戦後の食うや食わずの浮浪児と比べるのは可哀想だけど、いかにもあまちゃんな現代の高校生駿の姿は見ていてイラっとする。
駿が戦後にタイムリープして滋と協力しあって、最後には恵まれた自分の境遇を知って成長する‥‥なんていうストーリー展開を勝手に思い描いていたからか、いつまでも平行線を辿り一向に交錯しない全く世界の違う2人の物語に戸惑う。

そして最後の章まで来て、「ここで繋がるんかい！」。まあいいんだけど、もう少し前に2人の世界が交わって欲しかったような気も。
お陰で全く別の２つの物語を同時に読んでいた感じで、最後の感動も短く終わって残念。

「俺たちの若い頃はとにかく喰いものに飢えてた。今は喰いものは捨てるほどあるが、べつのことに飢えてるだろ……人の心に飢えているのさ」全くだ。
滋の方はいい話だったんだけどな〜。

2022/08/24

久しぶりに良い本に出会えた。戦後の話と現在のコロナもあり、その時代にあった苦悩。本当昔の人はすごい。子供達に読んでほしい一冊です。

2021/12/16

戦後の浮浪者，浮浪児たちの物語と現代のコロナ禍の高校生の物語．二つが並行して語られどこで繋がるのかと思っていたらうまく輪が閉じられました．
工夫して作られる焼きそばが本当に美味しそうだった．