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崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する 映画批評2011→2020
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崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する 映画批評2011→2020

宮台真司(著者)

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崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する 映画批評2011→2020

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 blueprint
発売年月日 2021/04/30
JAN 9784909852090

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崩壊を加速させよ

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2023/04/12

現代人の「感情の劣化」=〈閉ざされ〉を問題とし、映画を真に体感することを通していかに「感情の回復」=〈開かれ〉を促すか。 それを目的とした、2011年から2020年に公開された映画に関する宮田真司の批評を複数媒体から集めて構成した一冊。 映画批評の本だとは知らずに手に取った私が...

現代人の「感情の劣化」=〈閉ざされ〉を問題とし、映画を真に体感することを通していかに「感情の回復」=〈開かれ〉を促すか。 それを目的とした、2011年から2020年に公開された映画に関する宮田真司の批評を複数媒体から集めて構成した一冊。 映画批評の本だとは知らずに手に取った私が読んだのは「まえがき」「あとがき」と「批評一本」のみ。 それでも、宮台真司らしい表現と豊富な知識に基づいた批評は楽しめた。 未読の方は目次に目を通して、鑑賞済みの映画があるかどうかで手に取るか決めるといいだろう。 私が唯一読んだ批評はというと、目次の末尾に発見した「TENET テネット」だ。 いつか観たいとリストしていた作品だったので、良い機会だと思い鑑賞することにした。 これがなんとも難解な作品で自分だけでは消化しきれそうもなく、本書のおかげで更に楽しめたと感じている。 ネット上のレビューもいくつか読んだが、謎解きに注目が集まっているきらいがあり特段の発見は無かった。 その点、宮台真司は批評の冒頭で「学問を装った謎解きには意味はないことを断言します」としており、同じくクリストファー・ノーラン監督の作品「メメント」を引き合いに出し、世界観そのものに言及している。(核心のネタバレを含むので、メメントも鑑賞してからこの批評を読むことをオススメする。私は未鑑賞だったので現在記憶から遠ざけようと必死だ。) 宮台真司によると「物語的思考」と「言語的理解」に傾斜した〈閉ざされ〉は、非日常的な映画体験による普段と違った感覚の〈開かれ〉を失わせている。 私も映像作品はストーリーに重きをおいて鑑賞する質なので、知らず知らずのうちに〈閉ざされ〉ていたのかもしれない。 思い返してみれば「エコール」や「グリーンマイル」など、強烈に印象に残っている作品はみな言外の魅力に溢れていた。 私の中で映画鑑賞の魅力がより強くなるきっかけをくれた本書に感謝すると同時に、こう考えられるようになったことが〈開かれ〉への一歩かもしれない。 たまたま手にした本書だが、面白い巡り合わせであった。

Posted by ブクログ

2022/12/01

先日、暴漢に襲われてしまった著者が去年出した映画評論本。宮台の映画評論は、持論を語るためのだしのようなもので、それはいいのですが、いままでの宮台節が更新されているかと言われれば返答に困ります。一貫しているといえば、そうなんですが。 宮台真司も還暦を迎えたわけで、いまから新たな視...

先日、暴漢に襲われてしまった著者が去年出した映画評論本。宮台の映画評論は、持論を語るためのだしのようなもので、それはいいのですが、いままでの宮台節が更新されているかと言われれば返答に困ります。一貫しているといえば、そうなんですが。 宮台真司も還暦を迎えたわけで、いまから新たな視点を披露するような年でもありません。暴漢に襲われたことを考えると、言ってることは変わらないけど世の中は変わってしまったのか、とも思います。 彼の著書を久しぶりに読んだら宮台節が懐かく、そのへんも含めて良かったです。

Posted by ブクログ

2022/06/22

竹中平蔵が関わる広告会社スリードが提案した「B層狙い」、つまり低IQで騙し易い大衆層を狙った手法やオバマがスピーチに活用した「感情の押しボタン」等のマーケティング的詐術。ディープステイトやQアノン、地球平面説など、言語ゲーム的にも、自己体験不可能であり、仮説反証できぬ陰謀論。支配...

竹中平蔵が関わる広告会社スリードが提案した「B層狙い」、つまり低IQで騙し易い大衆層を狙った手法やオバマがスピーチに活用した「感情の押しボタン」等のマーケティング的詐術。ディープステイトやQアノン、地球平面説など、言語ゲーム的にも、自己体験不可能であり、仮説反証できぬ陰謀論。支配操作される文脈が蔓延する中で、宮台真司は、映画という表現手法に何を見出しているのか。 正直言うと、誰かの創作物は、誰かの思考以上の物にはならないのであって、それを評論するならば、論述は既に評論家による別の創作となり、偶々それらが同じ感受性で一致する事はあっても、評論は常に勝手な思い込みに過ぎない。だから、論題のきっかけにはなるが、映画の評論はどこまでいっても、二次創作だ。 二次創作においては、詐術を見抜いて本質を抉っているつもりで、その実、別の種類の詐術を撒き散らしている事になりはしないのか。詐術を抜きにした本質的表現とは。人心操作する為政者の腹の中を探る事と、映画の言いたい事を理解する事は同義に括れるだろうか。出発点の切れ味に対し、一つ一つの映画論評から得る事が難しい書であった。

Posted by ブクログ

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