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消された信仰 「最後のかくれキリシタン」――長崎・生月島の人々 小学館文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2021/05/07 |
JAN | 9784094070156 |
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消された信仰
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消された信仰
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商品レビュー
5
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
暗誦すごい。自分の先祖が信仰してた宗教を外の人にガーガー言われるのむかつくだろうな。 祟られるかもしれないからやめられないって気持ちもわかる。田北耕也さんの取材姿勢良すぎ。この人の本も読みたい。
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隠れキリシタンについて知りたくて、たまたま図書館にあった本を借りた。 隠れキリシタンの全てを網羅した読み物ではなく、長崎の中でも「生月島(いきつきしま)」という限定された地域の事情を調査しており、その範囲の狭さが却って「隠れキリシタンにも色々あるという全容」を把握するのに役立っ...
隠れキリシタンについて知りたくて、たまたま図書館にあった本を借りた。 隠れキリシタンの全てを網羅した読み物ではなく、長崎の中でも「生月島(いきつきしま)」という限定された地域の事情を調査しており、その範囲の狭さが却って「隠れキリシタンにも色々あるという全容」を把握するのに役立ったと思う。 著者は(隠れキリシタンではない)カトリックの家に生まれて洗礼まで受けたが高校生の頃には教会から足が遠のいたという。 その立場も、「カトリックの知識は充分にあるけれど贔屓もしていない」という絶妙に中立なのが頼もしい。 遠藤周作に対する違和感——「遠藤は隠れキリシタンを上から目線で裁いているだけだ」。 遠藤周作は隠れる必要のなくなった隠れキリシタンの末裔が続ける信仰は「抜け殻」だと言ったそうだが、著者は遠藤が生月島の信者と接触した記録がない、つまりコミュニケーションを取らなかった事への違和感(上から目線の態度)を指摘している。 そしてカトリックに復活しない隠れキリシタンたちを「カクレキリシタン」という蔑称を使う研究者・宮崎賢太郎氏に対する違和感もだ。 宮崎氏との対話記録も本書に掲載されているが、とにかくこの宮崎氏が頑固なのだ。 自説を曲げない雰囲気が「研究者」ではなく、「頑固で盲目なカトリック信者」にしか見えない。 信仰を守るために殉教までしたキリシタンたちの末裔を、後世の研究者(カトリック信者)である宮崎氏が「本物じゃない」と一蹴する姿勢には傲慢さを感じた。 「これが正しい信仰だ」と思うものがある人(遠藤周作にしろ宮崎氏にしろ)は、こういう「異質な信仰」(というかそもそも信教の自由の時代の信仰に異質なんてあるのか?)を語るには、近すぎるが故に却って不向きかも知れない。 適度にカトリックに距離を置いている著者は、自身がカトリックの信仰を真面目に続けられなかった負い目があるようだ。 そのカトリックからは異質と切り捨てられてしまった隠れキリシタン。 その信仰を継続していこうとする「現役隠れキリシタン」の姿勢に、自称「ペーパークリスチャン」の著者はきちんと尊敬の念を持って中立的に向き合っている。人の信仰を尊重出来ないなら「正しい信仰」なんてない方がましだとすら思った。 そして、キリシタンをただ絶賛するだけでなく、キリシタンの信仰を固く守るが故に息子さんが自死してしまった逸話も載っていた。事例が一件だけなのでなんとも言えないが、少数派の信仰を守る家庭に起こる「宗教二世問題」にも通じるものがある。この件に関して、著者は特に結論めいたものを書いてはいないが、結局はこのようにして現代社会とのズレによる不具合が起きていき、廃れていく信仰なのかも知れない。
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