二番目の悪者 大型判

林木林(著者), 庄野ナホコ(絵)

• 販売会社／発売会社: 小さい書房/JRC
• 発売年月日: 2021/04/26
• JAN: 9784907474102

商品レビュー

2025/07/20

今、世界中で起こっている深い話。
誰が世の中を作るのか、考えるきっかけになる絵本です。
世代関係なく、おすすめ！

2025/05/01

金のライオンが自分の栄誉や保身のために銀のライオンの悪い噂を流した。その噂は根も歯もないものであったが、噂は言い続けるといつしか周りは「本当なのかもしれない」と銀のライオンを疑い始める。周りの動物たちは、悪意はなくとも、真実を自分の目で確かめずに、「銀のライオンには気をつけて」と噂を広めてしまう。金のライオンは王様の座を手にするが、国は荒れ果てていった、というお話。
今で言うとSNSなどの情報に踊らされている民衆にも繋がる話である。
2番目の悪者とはその民衆のことであるのだ。

2025/03/22

民主制は有権者に正しい情報が提供されなければ機能しない。
そして、人間は嘘と本当を区別できない。

不同意性交罪の同意など心の中は知りようがなく、天動説は地動説よりも直観では受け入れやすい。最先端の自然科学は一般人には理解不可能であり、経済学に至っては科学と呼ぶに値するものかすら疑わしい。複雑化した社会で将来を見据えた「正しい」政治的判断など誰にとってもできるはずがない。

情報を拡散する媒体がどれだけ進化しても、情報それ自体はソースをコントロールされ、大量のゴミを混ぜられた上、送り手も受け手もバイアスのかかった視点で見ている以上、正解にたどり着くことは永遠にない。

金のライオンは悪だが、自己の欲望に忠実なだけで資本主義の論理では正義である。銀のライオンは誠実だが、自己アピールをしなければ評価されない現代においては敗者である。

考えなしに噂を広め、メールを転送してしまった動物たちは「有名な人が言っている」「みんなが言っている」から賛成する、ごく普通の人間だろう。

強欲で狡猾な黒幕は彼らの無知に付け込み、生かさず殺さず気づかれずに搾取するシステムを強化する。理想を夢見るリベラルは彼らの無知を批判するが、プライドが邪魔をするのか独善的な上から目線の物言いしかできず、民主制のルールで多数派になることは永久にない。