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日本神道史 増補新版
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 吉川弘文館 |
| 発売年月日 | 2021/04/19 |
| JAN | 9784642083959 |

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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
時の国家体制と密接に関わりながら変遷を遂げつつ現在にまでいたる通史を描く。その起源から、律令祭祀として確立し、中世での多様化、近世での理論化を経て、近代以降の再編、と全編に渡って興味深い内容だった。
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1. 神道の成立時期に関する諸説 - 第一説(7世紀後半 - 8世紀) - 律令祭祀制の成立時期。 - 天武・持統天皇の時代に国家の祭祀体系が確立。 - 「神祇令」の制定により、律令官社制度が完成。 - 大嘗祭や伊勢式年遷宮の開始。 - 「日本書紀」におけ...
1. 神道の成立時期に関する諸説 - 第一説(7世紀後半 - 8世紀) - 律令祭祀制の成立時期。 - 天武・持統天皇の時代に国家の祭祀体系が確立。 - 「神祇令」の制定により、律令官社制度が完成。 - 大嘗祭や伊勢式年遷宮の開始。 - 「日本書紀」における「神道」の用語の初現。 - 第二説(8世紀 - 9世紀) - 平安時代初期の成立説。 - 提唱者は高取正男。 - 禁忌烈識や神仏陥離の成立から地域社会に根ざした神道の台頭に注目。 - 平安祭祀制の確立と律令祭祀制の克服が重要視される。 - 第三説(11世紀 - 12世紀) - 院政期の成立説。 - 提唱者は井上党司。 - 二十二社奉幣や諸国一宮制の成立。 - 中世的天皇神話や神国意識が地域社会に浸透する時期に神道が成立。 2. 祭祀の体系とその変容 - 古代祭祀体系(律令・奈良期) - 国家体制の強化に伴い、神祇祭祀の統制が進む。 - 祭祀の理念が先行し、実態は不十分であったとの見解。 - 中世祭祀体系 - 国家体制の縮小と地方神祇の台頭。 - 一宮制の確立や庶民信仰の登場が祭祀の多様化を促進。 - 近世祭祀体系 - 近代化に伴い、祭政一致の体制が確立。 - 明治維新による神仏分離政策と神道の国家宗教化。 3. 自然と神の関係性 - 自然は神の仕業とされ、災害は神の怒りと認識される。 - 人間は自然を統御できず、共生の道を模索する中で祭祀が重要な役割を果たす。 4. 祭祀の起源と神社の成立 - 祭祀起源の二系統 - 居館建物の神殿・新牲祭祀の原形と、自然景観を重視した磐座・聖水祭祀。 - 古代の神社は人間の居住域から離れた場所に設けられ、神々との境界線を維持。 5. 中世以降の神道の展開 - 武士社会における神道の確立と神社信仰の広がり。 - 吉田神道などの庶民信仰が受容され、祭祀の多様化が進む。 6. 近代神道制度の確立 - 明治初期に神祇官制度の整備と祭政一致の確立が進む。 - 伊勢神宮の地位が再確認され、国家的な祭祀体系が構築される。 7. 結論 - 神道の成立とその後の展開は日本の社会・文化に深く根ざしており、祭祀と宗教の役割は歴史的変容を経て今日に至るまで重要である。
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神道の歴史の概説書です。 2010年に本書の初版が刊行されていますが、その後の約十年間に日本が見舞われることになったさまざまな自然災害を経て、「なぜ神社・祭祀が日本の社会にあり続けたのか、もう少し詳しく伝えたい」という意図をもとに、増補がおこなわれたと、「増補新版のあとがき」に...
神道の歴史の概説書です。 2010年に本書の初版が刊行されていますが、その後の約十年間に日本が見舞われることになったさまざまな自然災害を経て、「なぜ神社・祭祀が日本の社会にあり続けたのか、もう少し詳しく伝えたい」という意図をもとに、増補がおこなわれたと、「増補新版のあとがき」にあります。たしかに、そのような問いに対する執筆者の主張が記されているところも見られますが、おおむねオーソドックスな概説書といったスタイルが保たれており、神道の歴史について一通りのことを学ぶことができる本だと思います。 本書では、歴史学的な観点からの解説を中心に、古代にかんしては祭祀考古学の新しい成果が紹介されています。他方、神道思想についての解説は、多少もの足りないと感じてしまいました。
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