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王の没落 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2021/04/19 |
| JAN | 9784003274613 |
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王の没落
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商品レビュー
3.4
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
作家イェンセンは一九〇〇年のパリ万博に記者として参加し、自然を馴致する機械文明の発展をもって二十世紀の到来に希望を託した人物だ。同時に、伝統に固執し自己愛的な内省に沈むフランス的デカダンスを病んだ魂と看做し、北欧やアングロサクソンの活動力を対比的に称えた、と訳者解説にある。この点からも、本作は作者にとって皮肉のこもった作品だといえる。 国王に傾倒する主人公は、時代に囚われたかのように描かれる。しかし、狭い社会のなかで限られた人間関係に息詰まりながら生きる主人公にとって、国王はかすかな希望だった。時間が経過し、その国王が老いとともに国王としての輝きを失っていくさまを目の当たりにする。主人公や人々もまた老い、若い頃の輝きを失っていく。イェンセンはその自省を停滞や衰退の象徴として扱っているが、私にはそれがむしろ人間の本質のように思えた。苦悩することは悪ではない。不幸を知らなければ、幸福の味わいもわからない。だからこそ、行き当たりばったりの自省ばかりの生き方も肯定されてよいのではないか。最終的に、孫のイーデも恋をした。もし子供が生まれたら、主人公の血脈は繋がれていく。主人公が何もしていないように見えるとしても、生きていること自体が他者や世界に影響するものだから。自省を批判するには登場人物が魅力的すぎた。
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20世紀最高のデンマーク小説と呼ばれているらしい。高福祉国家やヒュッゲ文化といった現代のデンマークのイメージからは想像できないほど暗くて救いのない物語だった。 恐ろしい暴力性を持った主人公ミッケルが、関わった人物に様々な破滅を引き起こしていく様が恐ろしい。同郷の友人と片思いしていた女性が同衾したことを知り激昂したミッケルは、復讐のために友人の許婚を強姦する。そして、友人と女性の間に生まれた子供アクセルと、強姦の結果誕生した娘インゲが結婚し、イーデという娘ができる。それを知ったミッケルはまたもや癇癪を起こし、アクセルを殺害する。天涯孤独となったイーデは、バイオリン弾きのヤコブに連れられ、ミッケルを探す旅をするが、ミッケルは最後まで彼女の存在を認めず、ついに熱病にかかって死亡する。ミッケルの死に絶望したヤコブも首吊り自殺する。また、ミッケルが存在を漏らした王の隠し子カルロスは、よくわからん男に頭蓋骨を外され、実験台にされた挙げ句、その男もろとも火あぶりの刑で処刑される。 主要な登場人物が皆落ちていく、破滅の物語。読んでいて呆然としてしまった。
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世に出て100年経過している北欧デンマークの小説を、いま世に出す岩波文庫。 海外文学翻訳の極北とでもいいたくなる(熱烈支持)。 本作を、勝手に歴史小説だと思い込んで読んだが、 雰囲気としては「歴史に材をとった」小説という感じ。 そういう意味において北欧史を知らなくても十分楽しめ...
世に出て100年経過している北欧デンマークの小説を、いま世に出す岩波文庫。 海外文学翻訳の極北とでもいいたくなる(熱烈支持)。 本作を、勝手に歴史小説だと思い込んで読んだが、 雰囲気としては「歴史に材をとった」小説という感じ。 そういう意味において北欧史を知らなくても十分楽しめる。 歴史小説として読むと、たとえばNHK大河ドラマにおいて主要な登場人物の動向が、 ナレーションの一文だけで済まされてしまった時に感じるような 木で鼻をくくる感が、少々ある気がする。 冒頭に言った通り、1901年の刊であるから、現代的目線で評することは 何の意味も生まないけれども、19世紀的ロマンでもなく、20世紀的モダニズムでもない、 いたって普通な小説という印象。
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