王の没落 の商品レビュー
世に出て100年経過している北欧デンマークの小説を、いま世に出す岩波文庫。 海外文学翻訳の極北とでもいいたくなる(熱烈支持)。 本作を、勝手に歴史小説だと思い込んで読んだが、 雰囲気としては「歴史に材をとった」小説という感じ。 そういう意味において北欧史を知らなくても十分楽しめ...
世に出て100年経過している北欧デンマークの小説を、いま世に出す岩波文庫。 海外文学翻訳の極北とでもいいたくなる(熱烈支持)。 本作を、勝手に歴史小説だと思い込んで読んだが、 雰囲気としては「歴史に材をとった」小説という感じ。 そういう意味において北欧史を知らなくても十分楽しめる。 歴史小説として読むと、たとえばNHK大河ドラマにおいて主要な登場人物の動向が、 ナレーションの一文だけで済まされてしまった時に感じるような 木で鼻をくくる感が、少々ある気がする。 冒頭に言った通り、1901年の刊であるから、現代的目線で評することは 何の意味も生まないけれども、19世紀的ロマンでもなく、20世紀的モダニズムでもない、 いたって普通な小説という印象。
Posted by
デンマーク近代小説の代表作とのことですが。うーん。雰囲気は良い。あと、王の存在が雲の上でなく、きちんとした人間として書かれている。全体的に血生臭いが、さわやかというか。自分が北欧の歴史に疎く、なかなか物語の確信に触れるのが難しい。戦争しているが、どこと何のために戦ってるのかわから...
デンマーク近代小説の代表作とのことですが。うーん。雰囲気は良い。あと、王の存在が雲の上でなく、きちんとした人間として書かれている。全体的に血生臭いが、さわやかというか。自分が北欧の歴史に疎く、なかなか物語の確信に触れるのが難しい。戦争しているが、どこと何のために戦ってるのかわからなかった。しかし、どんなに駄目人間でも戦死すると名誉になるねー。おかしな現象だよね、改めて。まあそう言わなきゃ遺族が浮かばれないか。
Posted by
春の死、大いなる夏、冬、という章タイトルにも現れるように季節の移ろいを感じさせる情景描写が巧みで、訥々と語られる序盤からストーリーも表現も膨らみ、最終章はまさに冬。とてもよかった。 ホムンクルスのこの解釈は独特でこれまた面白いところ
Posted by
- 1