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野の春 流転の海 第九部 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2021/03/27 |
| JAN | 9784101307589 |

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野の春
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商品レビュー
4.7
27件のお客様レビュー
『流転の海』全巻で毎日芸術賞 とうとう第九部まで読み終わってしまった。 達成感というより、まだ読み続けたいという思いが強い。 1巻目を読み始めた時は、熊吾に対する嫌悪感が強く、すぐにリタイアするものと思っていたが、宮本輝の読みやすい文章にも助けられ、ゴールインしてしまった。 ...
『流転の海』全巻で毎日芸術賞 とうとう第九部まで読み終わってしまった。 達成感というより、まだ読み続けたいという思いが強い。 1巻目を読み始めた時は、熊吾に対する嫌悪感が強く、すぐにリタイアするものと思っていたが、宮本輝の読みやすい文章にも助けられ、ゴールインしてしまった。 数多くの裏切りにも会い、晩年は落ちぶれてしまった熊吾だが、無償の親切を施した、たくさんの人たちから、大将、大将と慕われたことも事実。 また、幼少の頃から、さまざまな悪所(ストリップ劇場、競馬、祇園のお茶屋、キャバレー、パチンコ屋など)を連れ回され、熊吾なりの人生訓を教え込まれ、人生勉強をさせてもらった伸仁(宮本輝)が、小説家として生きるのにどんなに糧になったことか。 私としては、その後の房江の人生を描いた後日談も読みたいが、蛇足なんだろうな(初婚の頃、房江が産んだ男児のその後も気になる)。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み終わって数日、反芻するようにこのシリーズを考えては少し涙を流す、ということを繰り返した。 これほど読み応えのある小説とは。想像をしていた物語の遥か上を行った。 それぞれの登場人物が、最高に幸福ではなく、かといって絶望的に不幸でもなく、本当に現実的にある範囲で描かれる。 熊吾と房江にはあとほんの少しだけ、幸せな時間をあげてほしいと願ってしまった。また3人での生活ができるようになるとか、一本松に行けるとか、せめて3人で会話する時間がもう少しあるとか。 でも最後は3人で過ごせた。最悪のような場所かとも言えるが、「野の春」を感じることのできた場所でもある。 多くの人の人生に関わった熊吾が、最後見送られるのはその時に近い存在だった数人の愛すべき人々。寂しいようだが、それで良いのである。 「誠実」に生きること。何かあったときに、「たいしたことありゃせん」と受け流す強さを持つこと。この小説の数多の人々から学んだことを忘れずに、自分の人生も全うしたいと思った。
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ついに最期の瞬間を迎えた。 熊吾らしいと言えば熊吾らしいかもしれない。 こんな最期でも、お別れにはみんなが駆けつけてくれた。熊吾の人望だろう。 自分の親を亡くしたようなそんな哀しみを覚えた。 ノブが二十歳になるまで生きる その誓いを果たした時、房江が熊吾にプレゼントを贈る。その...
ついに最期の瞬間を迎えた。 熊吾らしいと言えば熊吾らしいかもしれない。 こんな最期でも、お別れにはみんなが駆けつけてくれた。熊吾の人望だろう。 自分の親を亡くしたようなそんな哀しみを覚えた。 ノブが二十歳になるまで生きる その誓いを果たした時、房江が熊吾にプレゼントを贈る。その時の熊吾の涙が強烈に胸をうつ。 熊吾さんと話していると、尊ばれている感じがする それが熊吾だ。 人を見る眼力があるのかないのか よく裏切られてきた人生だけど 人の心に力を与える人だったように思う。 37年かけて書き上げた宮本輝さんに感謝しかない。 壮大な物語だった。この流転の海が静かになるのは寂しい。
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