全体指導×個別支援で実現する！ユニバーサルデザインの学級づくり

前田智行(著者)

• 販売会社／発売会社: 明治図書出版
• 発売年月日: 2021/04/01
• JAN: 9784183046147

商品レビュー

2021/06/17

［読書］２　全体指導×個別支援で実現する！ユニバーサルデザインの学級づくり　前田智行（２０２１）

第１章　ユニバーサルデザインの学級づくりとは
　０　ユニバーサルデザインの学級づくりとは何か？
　１　アセスメント〜４つの視点から考える〜
　２　教室環境の構造化
　３　人的環境の構造化
　４　個別支援と全体支援
第２章　ユニバーサルデザインの学級づくり　実践編
　Case１　忘れ物が多い忘田くんー不注意特性のある子がいるクラスー
　Case２　授業中に立ち歩いてしまう元気くんー多動性特性のある子がいるクラスー
　Case３　朝，遅刻してしまう遅田さんー衝動性特性のある子がいるクラスー
　Case４　コミュニケーションが苦手な静香さんー社会性の困難がある子がいるクラスー
　Case５　時間に合わせた行動が苦手な頑固くんーこだわり行動のある子がいるクラス
　Case６　周囲の音や刺激に敏感な繊細さんー感覚の過敏がある子がいるクラス
　Case７　音読が苦手な夜目内くんー読むことの困難がある子がいるクラス
　Case８　作文が嫌いな加気内くんー書くことの困難がある子がいるクラス
　Case９　字が丁寧に書けない荒書きくん，小字さんー書くことに不器用さがある子がいるクラス
　Case10　何かを触りたくなる澤多くんーいじり癖のある子がいるクラス

特支関連の書籍で私の中でナンバーワンの前田さん（@tomo_haruuu）。今までのオタッキーなゴリゴリ理論の特別支援教育書は私の中でサイコーでした。「誰一人見捨てず、全員笑顔で育てる」という教育理念を柔らかく、たくさんの人に伝えてくれているのが本書です。
色の濃い特性を持ち、集団での生活や学習にハレーションを起こしている子どもたちに対して、親のせいや本人のせいにする前にできることややるべきことはたくさんある。

成熟社会となった今、「根気よく言い続けるしかない」とか「ダメなものはダメ」のその先へ先生と子どもと伴走できる存在でありたいとも思ったり。
新しい発見は少なかったけれども、職員室の机の上においておこーって思う一冊です。
理論的にわかりやすく伝えるって大事ですよね〜

コーディネーターがもっと機能していればなぁぁぁぁぁと経験や教員仲間、保護者の話を聞いて思うことがたくさんあります。コーディネーターは専門性ではなく、経験年数で選ばれちゃうからなぁぁぁ。あああ。早く歳とりたいもんです。あああ。

長くなっちゃうけど、さらにもうひと深堀
この本読んでで改めて

不適切行動や逸脱行動は子どもたちのヘルプサインであって、二次障害の表出なんだとおもたー
一次障害に適切にアプローチしなければ、二次障害は起こる。つまり、離席や私語という二次障害を指導する前に、一次障害を見つけ出して、環境整備や個別のトレーニングから支援していくことが必要である。

学級担任にその知識があれば、救われる子はたくさんいる。小学校なんだから、救ってやったっていいじゃないか。

教員の配慮によって多くの子どもたちが安心して過ごすことのできる学級はつくることはできる。遠回りかもしれないけれど、いろんな立場を経験させてもらったから自分だからこそ、次は体現する番である。まだその力があるとは思えないけど、目指す担任像として持っておこう。