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沙林 偽りの王国
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2021/03/26 |
JAN | 9784103314257 |
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商品レビュー
3.7
26件のお客様レビュー
オウム真理教の起こした数々の事件を、集められる記事を基に順序立ててまとめている。 日本の警察の連携のなさ、杜撰さ、宗教法人に対する政治家の忖度。 マスメディアの記事の杜撰さなどが浮き彫りにされた一冊。 途中医学論文誌かと思うところもあり、苦心したが、最後の方はよくまとめられ...
オウム真理教の起こした数々の事件を、集められる記事を基に順序立ててまとめている。 日本の警察の連携のなさ、杜撰さ、宗教法人に対する政治家の忖度。 マスメディアの記事の杜撰さなどが浮き彫りにされた一冊。 途中医学論文誌かと思うところもあり、苦心したが、最後の方はよくまとめられていた。 むしろ最初から最後の2章を読むだけでも十分だったかも。
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1990年代の半ば、1つの宗教団体が日本を震撼させた。 オウム真理教。 ヨガ教室からはじまったその新興宗教は、オカルトブームにも乗る形で信者を増やしていった。過激な修行や教祖・麻原彰晃への絶対的な帰依が特徴。組織が大きくなるにつれ、強引な布施や出家の強要から、信徒やその家族とのト...
1990年代の半ば、1つの宗教団体が日本を震撼させた。 オウム真理教。 ヨガ教室からはじまったその新興宗教は、オカルトブームにも乗る形で信者を増やしていった。過激な修行や教祖・麻原彰晃への絶対的な帰依が特徴。組織が大きくなるにつれ、強引な布施や出家の強要から、信徒やその家族とのトラブルが増えていく。拠点の近所とのもめ事も絶えなかった。 オウムには高学歴のものも多く入信した。信者から巻き上げた巨額の布施を元に、彼らは危険な化学兵器や生物兵器の開発に勤しんだ。 そして、松本サリン事件、地下鉄サリン事件をはじめとする、前代未聞の大事件を起こしていく。 本書のタイトルの「沙林」とは、台湾語でのサリンの表記である。 参考文献を含めて570ページの大部。 冒頭に、「当時の歴史的事実をもとに、小説として構成したノンフィクション」とあるが、被害者・加害者とも実名で記載され、裁判記録などに基づく部分も多く、感覚としてはノンフィクションに近い。 主人公は神経内科医で中毒学の専門家であり、この人物の視点から事件を追っていく。つまり、この部分がフィクションである。ただし、名前を変えてはいるが、主人公のモデルとなっている医師は実在の人物で、精神科医でもある著者とは同窓である。 医学的知識に基づきつつ、オウムの犯した数々の犯罪を詳細に記載していく。 本書では、「オウムが何をしたか」というよりも、被害者が「オウムに何をされたか」を中心に追っている。 被害者の詳細な症状、化学的な分析結果、医学的な意見書なども差しはさまれる。 主人公の医師が学生に行う講義などの形で、731部隊の実験や、ホロコーストで使用された毒ガス、戦争で使用された、あるいは使用を回避された化学兵器・生物兵器にも触れられる。 化学兵器の利用は、歴史上、続いては来たのだが、民間人を無作為にテロ行為の標的とするという点で、オウムの事件は特異だった。 改めて、彼らがいかに多くの犯罪に手を染めてきたのかに驚かされるのだが、結局のところ、信者が何に魅かれ、ここまでの逸脱をなしたのか、謎は依然として残る。 教祖は単に、詐欺師だったのだろうか。なぜ高学歴の者も含む多くの者が教祖に乗せられる形で突っ走ってしまったのか。 中には悔悛したものもいる。だが、彼らは「それ」を信じたときに、何を思っていたのだろう。「そちら側」と「こちら側」は一見遠いようだが、その「断絶」を超える何かのきっかけがあれば、あるいは誰しも超えうるものなのか? 当時、途中まで、私たちはオウムを本気では警戒していなかったはずだ。マスコミにもてはやされているのを苦々しく思っている向きもあっただろう。けれど、どこか「ショー」を見ているように、それは消費されていたのではなかったか。 いつ、どこで、それは凶悪なものになったのか。 すでに首謀者の多くは処刑され、残る謎はあまりにも多い。 それゆえ、この事件は忘れられるべきではないのだ。
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かつて見聞きしたオウム真理教事件.久々に本で読み,当時の衝撃が思い出される本だった. ただ,小説としては読みにくく冗長な記述が多く,ルポとしては余計な話がふんだんにありすぎて微妙と感じた.特に戦争の話,731部隊の話などは脈絡なく突然はじまり結構な紙面をさいて書いてあり,オウム真...
かつて見聞きしたオウム真理教事件.久々に本で読み,当時の衝撃が思い出される本だった. ただ,小説としては読みにくく冗長な記述が多く,ルポとしては余計な話がふんだんにありすぎて微妙と感じた.特に戦争の話,731部隊の話などは脈絡なく突然はじまり結構な紙面をさいて書いてあり,オウム真理教の話からずれることこの上なしと感じてしまった. 余計な話がなかったらもっとよかったのに,と思わないでもない本.
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