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赤毛の文化史 マグダラのマリア、赤毛のアンからカンバーバッチまで
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2021/03/04 |
JAN | 9784562058730 |
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赤毛の文化史
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
ジョリーン、お願い、ジョリーン、お願いだから、あたしのあの人を盗らないで。 あなたなら他の誰だって手に入れることができるじゃない。あたしにはあの人だけなの。ただ簡単だからって理由で盗らないで。 …というのは、ドリー・パートンの古い歌「Jolene」の歌詞。 いろんな人がカバーし...
ジョリーン、お願い、ジョリーン、お願いだから、あたしのあの人を盗らないで。 あなたなら他の誰だって手に入れることができるじゃない。あたしにはあの人だけなの。ただ簡単だからって理由で盗らないで。 …というのは、ドリー・パートンの古い歌「Jolene」の歌詞。 いろんな人がカバーしていて、今も頻繁に耳にする名曲だけど(最近だとノラ・ジョーンズ?)、私の中では赤毛って、このジョリーンのイメージ。 つまり、赤毛=抗い難い魅力の美女、っていう超ポジティブなイメージがずっとあった。「マグノリアの花たち」とか「ペリカン文書」の頃のジュリア・ロバーツの髪が代表イメージ。 でも、アイルランド出身の英会話の先生が、「子供のころは赤毛のせいですごくいじめられたのよー」と言うのを聞いてびっくりした。 え! うそ、赤毛っていじめの理由になるの!? しかも、その先生の髪の色は私には金髪に見えたから、余計衝撃だった。 今思うと、彼女の髪はいわゆるコッパーか、あるいはストロベリー・ブロンドだったのだと思うけれども、私の真っ黒、まっすぐな、油断すると麗子像みたいになっちゃう髪からすると「羨ましい」以外の何物でもなく、そのせいでいじめられるとか全く意味が分からなかった。 そーいや、ルナールの「にんじん」も意味不明の理由でいじめられてたよなー(しかも家族から)とぼんやり思い出す。 たぶんこの手の感覚というのは、英語の発音と同じで、長く海外居住経験がないと理解できないものなんだろうなぁ、とぼんやり思っていた。 同様に、アンチ・セミティズムとかも私にはよくわからないことの一つで、つまりそれらは単純に日本人には縁遠いものだから、ということなんだろうけれど。 そんなわけで、この本のタイトルを見て、なかなかおもしろそうだ、と思って読んでみた。もともと髪の色とか瞳の色については赤毛に限らずとても興味があったしで。 赤毛が劣性遺伝によるもので、全人口の2%しかいないとは知らなかった。ちょっと驚いた。 つまり、それだけ目立つ特徴なんだなぁ、と実感。 遺伝的な話、世界地図上の分布具合はとても興味深かった。 アフガニスタンあたりに多いのは知っていたけど(緑の目も)、ウイグルにも多いなんて全く知らなかった。 劣性遺伝だから、人口の変動という激しい潮流のないところでしっかりと生き残る、という説明に納得。 ついでに言うと、マグダラのマリアがいつも赤毛で描かれていたとは知らなかった。 はは。でも、まあ納得。 著者は「赤毛の女性は大人になってから周囲の態度が激変するのを経験する」というようなことを実体験として語っている。端的に言うと、男の態度が蔑みから性的な興味へと変わる、ってことなんだけど、まあつまり、マグダラのマリアが赤毛で描かれていることと同じ理由なんだろう。まったく男ってやつは。笑 それ以外の、絵画における赤毛のモデルについての話は、正直言って退屈だった。 結局それって画家の好み&絵としての色彩的バランスの問題では? 本の大部分を占めるページ数を割かれていただけに、疑問は増幅。こんな駄文の積み上げを研究と呼んでいいのか?などと批判的に思ってしまった。 しかしドガの真っ赤な絵はいいね。とても気に入った。 ついでに言うと、赤毛関係ないけど、クールベの「ワルツ」すごくいいと思った。 私は美術史に全然詳しくないので、クールベって言うと波の絵しか知らなかったんだけど、こんなに人物画描いているとは。 全部好み。自画像がやたらあるけど、全部いいね。 クールベの「ワルツ」は、カミーユ・クローデルの「ワルツ」にインスピレーションを与え、それからドビュッシーがインスピレーションをうけて「月の光」を作った、と知ってしびれた。 3つともそれぞれ個別に好きだと思ったけど、それがつながっているとは。 ちなみに、冒頭の「ジョリーン」は、私はドリー・パートンのバージョンが一番好きです。 コロナのワクチンのキャンペーンで久々に姿を見かけたけど、見た目はびっくりするくらい変わっていなくて、衝撃だった。 アメリカ版由美かおる!? いったい何歳なの・・・・
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身の回りに赤毛の人っていないから、赤毛ってことで人を判断することに、何ひとつピンとくることはなかった。 著者自身が赤毛なことで、自らの経験を交えて赤毛のイメージを様々な角度から考察するこの本、とても新鮮だった。 古代ローマでは、カエサルのガリア戦記に見られるように北方の民族は...
身の回りに赤毛の人っていないから、赤毛ってことで人を判断することに、何ひとつピンとくることはなかった。 著者自身が赤毛なことで、自らの経験を交えて赤毛のイメージを様々な角度から考察するこの本、とても新鮮だった。 古代ローマでは、カエサルのガリア戦記に見られるように北方の民族は蛮族で、彼らは赤毛でボサボサヘアー。 キリスト教を題材とした絵画では、キリストを裏切ったユダは赤毛、マグダラのマリアも赤毛。二人が実際に赤毛だったか否かは問題ではなく、赤毛が裏切り者、娼婦の象徴として採用されていることが重要。要するに赤毛の人ってそういう目で見られるってこと。 ラファエル前派の画家たちが描いた女性たちも赤毛が多いらしい。言われてみれば、そうかも。 ロセッティもミレイも、バーン・ジョーンズの絵も、描かれている女性たちは赤毛ばっかり。そういうモデルばかりを参考にしたわけでなく(したかもしれないけど)、赤毛=官能的というイメージがまずあったみたいだ。 日本人にとって赤毛のイメージって、まず思いつくのは赤毛のアンで、次がアニー? そばかすでおてんば、みたいな固定観念が根付いている。 金曜8時のテレ朝に熱狂した昭和プロレス好きな自分の中では、赤毛と言えばアンドレ・ザ・ジャイアントで、テリー・ゴディだ。パーマ頭で暴れん坊。 なんか、知的なイメージってわかない。完全な偏見なんだけど、これが赤毛差別。 文化史というより、赤毛トリビア満載エッセイみたいな内容だった。この著者、言いたいことがたまってたんだろうね。情念のようなものまで感じる。大変な力作には違いない。
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読了。赤毛の女性である著者が、歴史、文化、遺伝等の視点から赤毛について語っている。とても興味深かった。 生まれつきの髪色のバリエーションが少ない文化で育っているせいか、恥ずかしながら赤毛のイメージに関しては「アンとピッピはキャラが被っているよね…」くらいの認識しかしていなかった...
読了。赤毛の女性である著者が、歴史、文化、遺伝等の視点から赤毛について語っている。とても興味深かった。 生まれつきの髪色のバリエーションが少ない文化で育っているせいか、恥ずかしながら赤毛のイメージに関しては「アンとピッピはキャラが被っているよね…」くらいの認識しかしていなかった。アンやピッピが赤毛でなければなかったのには理由があったのね、というのが読了後の気分。 そもそも髪色に対する解像度が低いらしく、参考に掲載されているカラー資料を見ても「これは金では?」「これは茶では?」となってしまい、本の趣旨とはずれるが自分がよほど分かり易い赤でないと赤毛を認識できないということが分かったのも収穫。(少なくともタンタンは絶対に金髪だと思っていた。) ハリウッドのホラー映画とか観ていて、「また金髪の女性がセクシーでアホで殺される役をやってる」と思ったことはあるけれど、赤毛の女性に関しては記憶がなく…でも私が金髪と判断した女性が実は赤毛の可能性もある。いやでも、「ブロンドはアホ」みたいなステレオタイプありますよね?映画だと。 髪色全般のステレオタイプについて調べた上で読んだらもっと面白いかもしれない。
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