或るギリシア棺の謎

柄刀一(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2021/02/23
• JAN: 9784334913861

商品レビュー

2022/04/18

国名シリーズというクイーンにならう作品シリーズのニ作目であり、長編ということでこの作品は柄刀さんの豪快さよりロジックに淫したそれこそクイーンみたいな論理のしつこさで、醜悪な真実を映し出した。
端正な本格ミステリでした。
あと操りというものもキーワードかな。
#2022年3冊目
#旧作
#柄刀一

2022/01/21

南美希風シリーズ。
偽造され、廃棄されたかに見える遺書と脅迫状により、当初病死と思われていた篤志家・安堂朱海の死に疑問が生じる。それは四年前の朱海の孫・夏摘の変死と関係があるのか。
独裁者として君臨する当主・光深を始め、長男・光矢、次男・滉二、光矢の息子・拓矢の優生思想は、彼らのいうところの「社会機構の底辺を支える」庶民の一人としては、面白くないものだ。

2021/08/07

とある篤志家の夫人の死。彼女の弔問のため、安堂家を訪れた南美希風とエリザベス。一見何の変哲もない病死に思えたものの、不審な書面の数々が見つかり、にわかに疑惑を帯びてくる。そして過去の未解決事件と繋がる何者かの思惑。緻密な論理に彩られた本格ミステリ。
不穏な要素が次々に判明し、もしや新たな事件が、という雰囲気は盛り上がるのですが。案外と起こらないんですね、新しい事件……期待してしまうのは、不謹慎なのでしょうか？（苦笑）　とはいえ興味がそがれるわけではなく、着々と手掛かりを積み上げていく過程を読んでいくわけですが。少しばかりオーソドックスすぎて退屈だと思ったのは、間違いでした。この家庭ならではの動機の数々が、あまりにも独特で異色で、この真相にたどり着くのはかなり困難かも。