たまごのはなし

しおたにまみこ(著者)

• 販売会社／発売会社: ブロンズ新社
• 発売年月日: 2021/02/18
• JAN: 9784893096838

商品レビュー

2024/11/09

キッチンで「どうして いつまでも こんなふうに ころがっているんだろ」と自我に目覚めたたまごの取り留めのない話のようでありながら、時折彼らの発言がふっと心に引っ掛かる。
「じぶんが かんがえていることは、はなさなければ あいてには ほとんど つたわらない」とか「だれにでも しらないことは かならず あるんだから」とか…さらっと紛れている改めての大事なメッセージ。
たまごもマシュマロもちょっと変わり者だけど、〈さんぽ〉でイヤなことを言ってくる植木鉢やクッションを言葉でビシッとやり込めるところが好きだな。
9歳。

2024/10/29

再読。この、たまごのシュールさが大好き。ものすごくシュールなのに結構哲学的なことを言ったり考えてるから侮れない。自分が思ってることは言葉にしなきゃ相手には伝わらない。伝えることは難しいけど伝える努力はした方がいいよね。マシュマロと同じく雨の日は大嫌いなんだけどこうやって外を眺めて考えごとをするのも…時々、本当に時々なら、いいかも。この愛らしいたまごを見るといつも懐かしいあの人を思い出す。齧られたらたまらないし、電池を抜かれるのもとんでもない、だけど憎めないしいつの間にか大好き。絵もとにかく素晴らしい。

2024/10/23

一度読みではダメ。
不気味なたまごの絵とストーリーを追うのに意識を持っていかれてしまう。
何か意味のあることを言われたような？と心がざわついたまま読み終わる。
たぶん子どもにはこの本の意味が理解できていない。
ゆっくり２度目は文字に集中して読んだら、人生の教訓がたくさん語られていた。

(以下、ネタバレ)
　　↓

・自分の経験からいいと思ったことを相手が同じように感じるわけではない
・考えていることを話さなければ伝わらない
・自分のいる場所から出た時に狭い場所にいたことに気づく
・心配は押し付けがましくなると迷惑
・雨の日にゆっくり自分を見つめ直してみる
・自分の軸がぶれたと感じたらその都度直す
・違う種類が集まると種類ごとに争いをする
同じ種類が集まるとその中での違いを争う
みんな同じ状況になったら団結する

ナッツの例え話は核心をついてるなと感心した。
ハチミツをかけられたナッツ達は、一斉に怒りだしたかわりに喧嘩を終える。
人って共通の敵ができた時、急に仲良くなるよな、って思った。
たくさんのマシュマロの中に卵が横たわるイラストがシュールで笑った。