- 中古
- 店舗受取可
- 書籍
- 文庫
JR品川駅高輪口 新装版 河出文庫
定価 ¥814
220円 定価より594円(72%)おトク
獲得ポイント2P
在庫あり
発送時期 1~5日以内に発送
店舗受取サービス対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
店舗到着予定
11/29(金)~12/4(水)
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2021/02/05 |
JAN | 9784309417981 |
店舗受取サービス
対応商品
店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる
店舗到着予定
11/29(金)~12/4(水)
- 書籍
- 文庫
JR品川駅高輪口 新装版
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
JR品川駅高輪口 新装版
¥220
在庫あり
商品レビュー
3.2
30件のお客様レビュー
高校生の百音は形だけの家族との生活、形だけの友人関係に生きている価値を見出せなくなる。毎日の日課は自殺願望を持った人たちが集う掲示板サイトを見ることだ。 百音は心の中での話し方は淡々としており、自分の気持ちなのにどこか他人事のようだ。 生きているのに、生きている実感がないよう...
高校生の百音は形だけの家族との生活、形だけの友人関係に生きている価値を見出せなくなる。毎日の日課は自殺願望を持った人たちが集う掲示板サイトを見ることだ。 百音は心の中での話し方は淡々としており、自分の気持ちなのにどこか他人事のようだ。 生きているのに、生きている実感がないように感じる。 物語の特に冒頭部分だは、百音の耳をすり抜ける電車内のアナウンスや周囲の人たちの会話が羅列されており、百音の孤立感がさらに読者にも迫って感じられる表現となっているように思う。 百音のように自殺願望を持ったことはないが、私自身も小学生の頃クラスメイトにハブられた経験があり、生きている意味、存在価値を考える気持ちや孤独感はよくわかる。 この先も百音の苦しみは続きそうだ。 自殺を考える人は日本には多く存在する。 電車の人身事故も絶えない。 こんな思いを誰にもしてほしくないと切におもった。
Posted by
『自殺の国』を改題して刊行された作品。 山手線シリーズ。 前作が全米図書賞受賞ということで読んでみたけれど、ちょっと難解で難しく感じられた。 今作は身近に感じられた。 自殺願望みたいなものは、私自身にもあって、別に今作みたいに掲示板とかで募集して…とかいうつもりは無いけれど、...
『自殺の国』を改題して刊行された作品。 山手線シリーズ。 前作が全米図書賞受賞ということで読んでみたけれど、ちょっと難解で難しく感じられた。 今作は身近に感じられた。 自殺願望みたいなものは、私自身にもあって、別に今作みたいに掲示板とかで募集して…とかいうつもりは無いけれど、どこかぼんやりそんな気持ちがある。 “わたしは、生きたい人は普通の人で、死にたい人は普通じゃない人だと思っていたのかもしれない。でも、死にたい人と生きたい人は実は同じ人で、生を突き飛ばして死にしがみつくか、死を突き飛ばして生にしがみつくか、だとしたら、生にも死にもしがみつかないで生きていける人が、普通じゃない人なのかな? 生も死も、よくわからない。 死ぬのは最終的には死んでみなければわからないとしても、生きるのがわからないのはどうしてなんだろう” この言葉が印象的だった。 生きていてもいなくても変わらない毎日を生きている気がして。 百音みたいな環境では無いけれど、それでも何か生きることへの絶望みたいなものから抜け出せない。 ぐるぐる回る電車の中で、そんな思いに駆られている人は一体何人いるのだろう。 その循環から抜け出すために、飛び出してしまう前に、何か、何か。
Posted by
年間3万人を数える日本国内における「自殺」。本書は作家、柳美里が一人の少女を通して問いかける「生と死」の意味。圧倒的なリアリティを持つ電車のアナウンスや、車内や女子高生同士で語られる「会話」が秀逸。 本書は作家、柳美里さんが1998年以降、 自殺者連続3万人の日本社会に問...
年間3万人を数える日本国内における「自殺」。本書は作家、柳美里が一人の少女を通して問いかける「生と死」の意味。圧倒的なリアリティを持つ電車のアナウンスや、車内や女子高生同士で語られる「会話」が秀逸。 本書は作家、柳美里さんが1998年以降、 自殺者連続3万人の日本社会に問う長編小説です。よく彼女はツイッター上で、電車への飛び込み自殺で、運休を見合わせる旨を示すツイートを「……」というメッセージを添えてRTしていることがあるのですが、これを読みながら3万人もの人間が「消えて」行っていることを思い出し、なんとも複雑な思いがいたしました。 物語は冒頭から「2ちゃんねる」を思わせるような掲示板に、延々と記される「自殺」「逝きたい」の文字から始まります。電車の中、携帯電話を手にその画面を見つめる少女は、本作のヒロインである市原百音・高校一年生です。 彼女は自分の志望した公立高校に落ち、第二志望の私立にも落ち、どうにかして入学した高校で「サゲサゲ」の入学式を向かえ、「スカイソーダーズ」という形だけの友人関係と、父親が会社の部下と不倫関係を持ち、母親はそれを知りながら弟の関西の学校受験に血道をあげる。しかし、弟自身は関西には行きたくない…。そんな家庭で暮らしております。 作品全体のほとんどは彼女の限りなく続くモノローグと、電車内の描写があるのですが、ゴシック体で記されるアナウンスや、彼女の耳にいやおうなく入っていく乗客のほとんど無意味な、人々の会話が、無機質のBGMとなって圧倒的なリアリティを持っております。 僕も品川駅はよく利用する駅のひとつなので駅の詳細や、電車の中で繰り広げられる会話は文字通り皮膚感覚で理解できるので、頭の中に映像が込みあがってくるのでした。 市原百音などの会話の場面や、「スカイソーダーズ」がハニートーストを食べながらをカラオケに興じる部分の会話もものすごいリアリティがあって、もしかすると柳美里さんは電車の中で「彼女たち」の会話に耳を傾けていたのかもしれません。しかし、そんな日常は百音のグループのリーダー的存在である「日菜子さま」が間違って彼女へ送ったメールから徐々に変わっていきます。 百音は「猶予は2日。決行日は6月19日神奈川です―」と掲示板に書き込んで、ともに死ぬという「目的」を持った人間と会うために、品川発の電車に乗って、彼らとの「約束の場所」へと向かうのだが…というところがクライマックスです。 しかし、彼女は自分の「日常」へと帰り、待ち受けていたものは「仲良しグループ」から自分が排除されたという無残なまでの事実でした。結末は彼女の将来が決して希望にあふれたものではなく、この先も苦労するんだろうなぁ、きっと。と思わせるもので、一人の少女を通して作者が問いかける「自殺」の意味を痛感させられる小説でございました。 ※追記 本書はタイトルな何度か変わっており、2021年2月5日に『JR品川駅高輪口 (河出文庫)』として河出書房新社より刊行されました。
Posted by