江戸移住のすすめ

冨岡一成(著者)

• 販売会社／発売会社: 旬報社
• 発売年月日: 2021/01/29
• JAN: 9784845116720

商品レビュー

2021/06/20

田舎から出てきた身なので大家さんに親切にしていただき、住む場所もすぐ決まりました。
朝、井戸端でのおかみさんたちとの洗い物の時には人見知りをしてしまいましたが、みなさん良さそうな人で安心しました。
でも振り売りを始めた亭主の助けになるよう、お針仕事をして少しでも生計の足しにしなければと思います。

2021/04/24

もし、江戸の町に住んだとしたら･･･江戸の生活伝授本。
第一章　今日からはじめる　江戸の物件さがし
第二章　お気楽江戸生活のコツ　　第三章　江戸で天職に出会う
第四章　古きをたずね身じまいする
第五章　目と口とおへその下　　　終章　これは難儀だ
江戸社会の決まり事　その一～四
江戸の人にきいてみよう　(一)～(五)
画像はモノクロ。参考文献、索引有り。
そうだ、江戸へ行こう！
舞台は、江戸時代後期の天保初年頃の江戸の町。
一文＝12円で通貨換算しての、衣食住や娯楽を丁寧に、
痒い所に手が届くように詳細に紹介しています。
商家の奉公人から猫の蚤取りまでの、様々な商売。
金・銀・銭の使い分けとモノの値段あれこれ。
髪型と服装、化粧法。芝居見物や色街での知識。グルメ。
お歯黒は無理ならつけなくてもよいのね。
江戸ことばの解説、いきな江戸前啖呵用語集も紹介。
もし病気になったら、医者？薬？霊験のある寺社へ行く？
犯罪あれこれと刑罰までも載っています。
江戸と現代とは違う価値観に気を配り、江戸で生活することを
夢想するには、参考になる内容です。
続編も考えてるそうなので、ぜひ出してほしいです。

2021/02/21

　いくらテクノロジーが進歩した現代であっても、衣食住の生活の本質は残っている。
　むしろ、種々の情報がノイズになっているのがこの世の中ではないか。

　政治も経済も、すべては揺り戻しが大なり小なり発生しているという感覚がある。
　大きな揺り戻しが起きる可能性があるのはアフターコロナだと思っている。　
　参考になるのは過去、ならば生活の本質を見極めるためにはノイズのなかった時代を調べるべきではないだろうか。

　本書では、いきなり江戸時代に放り込まれても生きていける指南本だ。
　家の借り方、間取りについてから、仕事の始め方や、更には湯屋のマナーや江戸言葉に至るまで。
　特に、物売りが路地を回って売りに来るシステムは地産地消が江戸でも行われていたことの証明である。
　江戸近郊は産地であり、産地と消費地が近かったのだ。

　加えて、仕事の中でも「なんだか分からない仕事」の項より抜粋。

　「両国猫う院仏施」なる乞食僧の連中は、「にゃんまみだぶつ」と念仏を唱え、お布施が入ると「おねこ！」「にゃごにゃご」と題目を唱える。

　「親孝行」なる、息子が老婆を背負うのをよく見ると、息子は人形。
　「親孝行でござい！」といって街を歩き、親孝行同士が辻で出会うとそれぞれの息子人形を交換して「親孝行しましょ」と言うと、通行人は馬鹿だねぇと投げ銭をする。

　意味不明すぎて草生えるのだが、よくわからないパフォーマンスに投げ銭するのは、今のYouTuberと本質は変わらないのでは。

　情報多寡のこの世の中、いっそのこと江戸時代で生きたいと思うのは俺だけじゃないはず。