ふたりぼっちのオタサーの姫(01) ヤングジャンプC

クール教信者(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2021/01/19
• JAN: 9784088917979

商品レビュー

2021/03/23

そもそも二人ぼっちのサークルで『オタサーの姫』概念は成立するのかという壮絶なツッコミどころが有りつつも、問題なく楽しめる内容だったかな
クール教信者先生らしさに溢れつつ、ライトでポップな内容も併せ持っているように思えた

『オタサー』とは何かをあんまり把握せず、そして『姫』とはどういう行動をする立ち位置なのかもあんまり把握していない武子。けれどぼんやりとした憧れのままちやほやされたいとオタクさん相手に『オタサーの姫』っぽい行動を取る武子はどう見てもアレですね。姫というより逆ナンしているようにしか見えませんね
端から見ればそうとしか見えないのにオタクさんにはそういった相手に勘違いを起こさせるようなムーブが一切通じない、それどころか自己研鑽を絶え間なく行う人間と尊敬されてしまっているのはちょっと面白い

武子の行動がオタサーの中だけで完結していれば、ただ武子とオタクさんがイチャイチャしているだけの作品に終わってしまったかも知れない
それを本作では漫研やアニ研の面々を絡め、更にはミスコンを終盤の盛り上がりポイントとして設置しているのは流石
というか、可愛がられちやほやされるという目標を持ちそれに向かって研鑽を繰り返している武子ならミスコンくらい楽勝なのでは？と思わせておいて、現在のミスコンにおいては武子のような存在こそ異端となってしまう点は印象的な展開
けれど、そんな武子を異端とする空気を目立ちたい、構って欲しいと全力の感情で振り回す武子の行動が、唯一オタクさんの心に全力で響く流れは第１巻のクライマックスとして充分過ぎるものだったかな

オタクさんが色々と重たそうな内面を抱えているのはクール教信者先生らしい展開なんだけど、これが今後物語にどう影響していくのか……