1,800円以上の注文で送料無料

WAYFINDING 道を見つける力 人類はナビゲーションで進化した
  • 中古
  • 書籍
  • 書籍

WAYFINDING 道を見つける力 人類はナビゲーションで進化した

M.R.オコナー(著者), 梅田智世(訳者)

追加する に追加する

WAYFINDING 道を見つける力 人類はナビゲーションで進化した

定価 ¥2,970

1,540 定価より1,430円(48%)おトク

獲得ポイント14P

在庫わずか ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 インターシフト/合同出版
発売年月日 2021/01/08
JAN 9784772695718

WAYFINDING 道を見つける力

¥1,540

在庫わずか
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

3.8

5件のお客様レビュー

レビューを投稿

2022/03/06

北海道のアイヌ語由来の地名も元々はイヌイットの同様にアイヌが旅する時に目指すべき目標の特徴として名付けられたものなのだろう。  <イヌクシュク>、古代からの石積みの遺物は、宇宙戦艦ヤマト2019に登場したワープ回廊の入口を想像させる。  昔読んだ冒険小説「大洞窟」(クリストフ...

北海道のアイヌ語由来の地名も元々はイヌイットの同様にアイヌが旅する時に目指すべき目標の特徴として名付けられたものなのだろう。  <イヌクシュク>、古代からの石積みの遺物は、宇宙戦艦ヤマト2019に登場したワープ回廊の入口を想像させる。  昔読んだ冒険小説「大洞窟」(クリストファー・ハイド著)では、地震により洞窟に閉じ込められた東洋系(日本人)の主人公に、遠い昔、同じような状況で洞窟から脱出した古代人の残留思念のようなものが、ピンチの度に憑依することで、脱出に成功するという話(ファンタジー)だったように記憶している。だが残留思念の憑依とは、洞窟に残された遠い過去の痕跡(道標)を読み取ることであるとも考えられると本書を読んで思った。 以下、引用 ● イヌイットは行きあたりばったりに移動しているのではない-既知のルートをたどっているのだ。世界のほとんどの場所では、ルートは道路と人間のつくったランドマークで示され、その経路と位置は記号として地図上に配置されている。(中略)北極の環境には、永続性を阻む刹那的な性質がある-氷は解け、雪は変化する風に飛ばされ、流れる川は冬が来ると凍土になる。土地のランドマークはめったにないか、あったとしても識別が難しく、人を寄せつけない。そのため、環境を読み解けるかどうかは、社会文化的な次元、たとえば象徴としての重要性や、そこを歩いた人たちにより風景が与えられた意味に左右される。アポルタが気づいたのは、その地の移動ルートのなかには数世代にわたって愛用されているのもがあり、その目印のない道の知識が人から人へ、家族から家族へ、コミュニティーからコミュニティーへと、地図という形ではなく口伝えで受け継がれ、記憶されていることだった。 ●痕跡読解説にしたがえば、かつては痕跡をつなげた道だったものが、ナビゲーションや食糧採集、水探し、経路の記憶、狩猟に広く利用される戦略に発展し、その結果、人類は過去の体験や他者の記憶をつないだ物語をもとに、テリトリーやルートからなる豊かな心的地図を作成するにいたったということになる。記憶能力の向上に伴い、わたしたちの収集する自然史情報-季節の変化、動物の移動パターン、繁殖サイクル、生息場所などの情報-は増えていった。そのすべてを習得するには、時間とエネルギーが求められる。それが幼児期と年少期を、そして子どもの神経発達の期間を長くした可能性もある。このプロセスから出現したのが、空間と時間のなかでみずからの体験を整理し、広範囲を動きまわり、脳内で複雑な地図と順序を構築できるようになった生物だった。やがて、記号を使ったコミュニケーションを、さらには言語を掌握したその生物は、そうしてつくられた地理的かつ電気的な物語を他者に伝えるようになっていく。 ●ドリーミングトラックとそれに伴う歌のサイクルは、旅人がたどるべき方向を言葉で示しているように思えた。アボリジナルは、物語を語るという人間の精神の性質を利用した文化的伝統を築いてきたのではないか。彼らは物語と特定の場所を結びつけ、歌や物語の並びのなかでナビゲーション情報をコード化し、そうした口承地図を暗唱することで情報を記憶しやすくしている。 ●遺伝的性質は海馬萎縮の制限要因になっているかもしれないが、空間認知の訓練により、機能低下を防ぐことはできるのだろうか?空間記憶に特化した介入を早期に行なえば、アルツハイマー病の発症率が低下するのではないかとボーボーは考えている。また、優れた空間記憶能力を持っていれば、アルツハイマー病を防げる可能性もあるという。(中略)ボーボーが推奨している方法としては、定期的な運動、オメガ3系油を豊富に含む地中海風の食事、瞑想と深呼吸、十分な睡眠などがある。何よりも重要なのは、認知地図を積極的に構築することだ。目的地に行くときに新しい道や近道を選ぶ。周囲の環境とランドマークの俯瞰図を定期的に描く。あるいは、日々の生活に新しい行動やルートを採り入れてもいい。健康な海馬の利点は広い範囲の影響を及ぼすとボーボーは言う。

Posted by ブクログ

2021/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いわゆるナビゲーション、GPSという機能を生理学的に文化人類学的に、壮大にまとめた本。 ナビゲーションは人では海馬がになっているという。 ロンドンのタクシードライバーが、道という道を覚えないとその資格に合格できないのは有名ですが、ロンドンのタクシードライバーの海馬が大きいのも有名な話ですね。 道なき道を行くのに、自然現象と風景を記憶して発達してきた人類が、スマホのGPS機能に頼り切ると、長期的には神経変性疾患に関するリスクの可能性が示唆されているそうな。 機械・技術に頼る生活は便利だが、海馬を鍛えるべく、なんかせな!と思いました。

Posted by ブクログ

2021/08/03

GPSを頼りに土地勘のない道を進んだら、それはとんでもない失敗だったーー。現代に生きる多くの人が「あるある」と共感する出来事から本書は幕を開ける。 GPSどころかコンパスや海図にさえ頼らず、目印らしい目印さえない北極圏のエスキモー。 アボリジナルにより紡がれる<ドリーミング>。...

GPSを頼りに土地勘のない道を進んだら、それはとんでもない失敗だったーー。現代に生きる多くの人が「あるある」と共感する出来事から本書は幕を開ける。 GPSどころかコンパスや海図にさえ頼らず、目印らしい目印さえない北極圏のエスキモー。 アボリジナルにより紡がれる<ドリーミング>。 ミクロネシアのカロリン諸島で受け継がれる<エタック>。 人類がこれまで積み重ねてきた<ウェイ・ファインディング>の技術は純粋に刺激的で、我々も訓練次第ではこのような能力を身につけられるのか、という点に興奮を覚えざるを得ない、 本書に通底するのは、テクノロジーに対する懐疑的な姿勢だ。決して全否定しているわけではなく、そのテクノロジーへの過度な依存に対する警鐘が潜んでいる。 それはGPSのみならず、そもそもの化石燃料による温暖化にも矛先が向く。 本書で紹介されているようなナチュラルナビゲーションの技術を持つ民は、今世紀中にその故郷を失ってしまう確率が極めて高い。 そういった社会的難題が人間の可能性の極地であるナチュラルナビゲーションと地続きに語られる。そのため混乱するし、煩悶もする。実に考えさせられる一冊だ。

Posted by ブクログ

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品