桂馬の高跳び 坊っちゃん講釈師一代記 中公文庫

二代目 神田山陽(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2020/12/23
• JAN: 9784122070028

商品レビュー

2023/12/19

自分が好きなことをとことんやり抜く。それでも自分勝手にならず、受けた恩を忘れず、周りのことも考え行動する。
こんな気持ちのいい人が講談で長年活躍して後進も育てていたんだなと知りました。桃李成蹊という言葉がぴったりな人だと思います。

2022/08/01

講談師の二代目神田山陽の自伝。

戦前、戦中はダンス講師、家業の書籍取次業等を経験し、戦後はアマチュアの講談師として活動開始してから、講談界の風雲児となり、その後多くの弟子（特に女流）を育て、講談界に大きな足跡を残した一代記は、単なる読み物としても面白い。

著者も本書の終わりの方で記しているが、著者の大きな功績として古色蒼然とした講談だけでなく、艶話や立ち回りを取り入れた変わり種講談を広く認めたこと、女性を含む多くの弟子を育てたことが挙げられる。

ちなみに、最近テレビでも見かける講談師、六代目神田伯山は著者の孫弟子にあたり、伯山の師匠（つまり、著者の直弟子）は人間国宝の三代目神田松鯉となる。

そして文庫化した本書の発刊にあたっては、六代目伯山の尽力もあった模様。巻末に解説も書いていて、兄弟子の三代目山陽へ早く講談界に復帰して欲しい、と訴えかけているところに伯山の講談界をさらに盛り上げようとする意気込みが感じられた。

2021/07/29

神田伯山さんがラジオで紹介されていたので読んでみた。面白かった。当時は、豪快な生き方をした人がたくさんいたのだなぁと思った。また、神田山陽(二代目)さんがいなかったら今の講談界はなかったのだということもわかった。