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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 五月書房新社 |
発売年月日 | 2020/12/19 |
JAN | 9784909542311 |
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商品レビュー
3.6
8件のお客様レビュー
2018年の発売時からずっと気になっていた小説をようやく購入。12人の都市インディアンの視点が代わる代わる描かれ、最後は祭りの祭典「パウワウ」で幕を閉じる。アメリカの都市インディアンのことを恥ずかしながらほとんど知らなかったので、初見の単語や文化も多くて新鮮だった。 12人の視点...
2018年の発売時からずっと気になっていた小説をようやく購入。12人の都市インディアンの視点が代わる代わる描かれ、最後は祭りの祭典「パウワウ」で幕を閉じる。アメリカの都市インディアンのことを恥ずかしながらほとんど知らなかったので、初見の単語や文化も多くて新鮮だった。 12人の視点が交互に移り変わるこの小説では、インディアンたちの苦境(肥満、ドラッグ、アルコール依存、離婚、自殺)が繰り返し描かれるが、一方でどこか前向きな気持ちになるようなエピソードもある(物語ること、踊ること、繋がろうとすること)。だからこそ緊迫のエンディングは衝撃そのもので、そんな終わり方ってあんまりでしょう、と思う。あまりに突然で、無慈悲で、暴力的。でも、これこそがインディアンが数百年にわたり見せつけられた現実だと思うと、読者はもう何も言うことができない。 私としては本書を、ドミニカの凄惨な歴史を現代オタク文化と見事に繋げたJuno DiazのThe Brief Wondrous Life of Oscar Wao (2007; ジュノ・ディアス「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」)と並ぶ現代アメリカ文学の傑作に挙げたい。なお、本作の続編Wandering Starsが今年発売された。続編では1864年のサンドクリークの虐殺がモチーフとなっているようだ。相変わらずスラングが多くて難しそうだが、読んでみようと思う。
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望まずに移住させられたとしても、その心と文化は失わずに生きる。そういう人達が集まる場所で、乱射事件が起きる。となると、世間ではやはりインディアンで違う部族だとすぐ殺し合うんだな、とかとんでもなく間違った意見が生まれてもおかしくない。偏見の塊すぎる考えだが、イメージというのは恐ろしいものだ。色々な背景を持つ人間同士が、色々な思惑を持って、パウワウの場に集まって来る。そこは楽しいイベント会場になるはずだったのに、銃一つで全て変わってしまった。見た目は白人に似ているけれど、根っこは真の白人ではない。それだけで仕事を不当に辞めさせられたり、偏見の目で見られたりする。女性が酷い扱いを受けても、自殺率や依存症になるリスクが高くても、全て生まれのせいで公平な目で見てもらえず、行政の支援もどこか適当な扱いを受ける。文化を継承しようと意識し始める者、生まれを忌避する者、生まれを利用して裏で生きていく者、とインディアンの中でも、これだけ考えの違う人間が存在している。更に、見た目や宗教、性別の違いなども含めるととんでもない数の考えと、行動をする人間が居る。それぞれの違いを受け入れながら、この人間社会は成り立っている、と思うと頭がパンクしそうになる。
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登場人物が交代に語る(語られる)よくあるスタイルだけど、人数が多すぎてなかなか覚えられない。こんなに何回も人物表を見直した事はない。 そこを乗り切れば、大変おもしろかった。 アメリカの都市インディアンの話。 ナバホに行った時に、みんな居留地から出ていってしまうと聞いたけど、この話のインディアン達は祖父母の世代から、都市に移住した感じ。 現役世代にとってインディアン的な生活は、テレビの中のものだったりして、日常ではなくなっている。 伝統を守るためのパウワウという踊りのお祭りで、用意された賞金を巡って銃乱射事件が起こる。 お金、3Dプリンター、ドローン、白い銃。 インディアンの祭りを白人の生み出したものが破壊する。 都市インディアンは内部から白人的価値観に蝕まれて、インディアン性も失っていく。 結末は予想できたけど、なんだか悲しくなっちゃったね。やっぱり最終的には家族しかないのかな。
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