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トミー・オレンジ(著者), 加藤有佳織(訳者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 五月書房新社
発売年月日 2020/12/19
JAN 9784909542311

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商品レビュー

3.6

9件のお客様レビュー

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2026/03/28

インディアン…全く知らない初見の事が多かったです。こんな事が世の中、アメリカで起きているんだと知りました。 少し読みにくく内容を全て頭には入れられてないですが、日本人で生まれただけで先ずは世界と比べると幸せで、生まれた境遇で人生が決まってしまい、そこから抜け出せなくなってしまうん...

インディアン…全く知らない初見の事が多かったです。こんな事が世の中、アメリカで起きているんだと知りました。 少し読みにくく内容を全て頭には入れられてないですが、日本人で生まれただけで先ずは世界と比べると幸せで、生まれた境遇で人生が決まってしまい、そこから抜け出せなくなってしまうんですね。 色々考えさせられる内容で、再読しようと思う一冊です。

Posted by ブクログ

2025/06/07

There is no there there. そこにはそこがない。 かつてあった、あの場所はもうない。 カリフォルニア・オークランド育ちの女性詩人ガートルード・スタインが著書で記した“When you get there, there’s no there there.”とい...

There is no there there. そこにはそこがない。 かつてあった、あの場所はもうない。 カリフォルニア・オークランド育ちの女性詩人ガートルード・スタインが著書で記した“When you get there, there’s no there there.”という一節が、都市に住む若きインディアンの心を捉える。  “この国の先住民にしてみれば、アメリカ大陸のあらゆるところで、開発が過剰に進み、祖先の大地が葬り去られ、ガラスやコンクリートや電線や鉄鋼が記憶を被い尽くしてきた。そこにはそこがない(There is no there there.)。” 居留地へ押し込めてられてきたインディアンは、アメリカ政府の同化政策への転換により、今度は都市部へと移住させられてゆく。経済発展と自立を促すとは名ばかりに、薄められ、ゆっくりと消されてゆく。そして支援が打ち切られ、自己責任と貧困が残った。  “自分たちは勝っていると思っている人が「乗り越えろ」と言うとき、ひどくいやな薄ら笑いが浮かぶ。そのことに気づくのは、わたしたちほど多くを失ってきた者だけだ。”  “わたしたちが、自分たちの物語を伝えようとすると、ー「もう前進しよう」、「責任を押し付けあう犯人探しはやめろ」そういうことを言いたがる。でもゲームなのだろうか?” ーーー 世代や性別、人種の異なる様々な人物が入れ替わりながら、物語は進む。登場人物によって、先住民族としてのアイデンティティやコミュニティへの関わりは当然ながら濃淡がある。ドラッグビジネス、アルコール、貧困、女性への暴力、シングルマザーなど多くの問題の背景にはインディアンの共通の問題があり、もちろんそこには個人としての物語がある。 バラバラなような彼らが、引き寄せられるように最終章で交わる。それは冒頭から暗示されてきたとおり暴力的な悲劇の交差だ。 歴史の中で繰り返し引き起こされる惨劇と悲しみは、止むことがない。多くの小説では、大きな悲しみの中でも消えることない個人の小さな声を描くことで、微かな希望を伝えてくれる。 でも本書からは、異なるメッセージを感じる。 個人は破壊され、踏みにじられていっても決して滅ぼされずに残るものがある。 それは個人の物語はインディアンとしての『物語』につながる、つなげていかなければいけない、というトミー・オレンジの意志だと感じるのだ。 かつての風景は失われ、時代も移り変わり、それでもかつて放たれた銃弾は今も不意に襲いかかる。 だが、大地につながって、物語を未来につなげていくことで、インディアンは滅びない。 それは民族の誇りや、文化の伝承、スピリチュアルなもの、などと言葉にしても伝わらない気がする。 歴史書に登場して名づけられる前から、連綿とつながってきたものの一部だという感覚なのかもしれない。  “都市インディアンは都市部で生まれた世代の事だった。長い間わたしたちは移動し続けていたが、大地は、記憶のようにわたしたちと共にあった。都市インディアンは都市に属していて、大地に属している。(略)私たちはバスや列車や車に乗り、コンクリートの平原を渡り、超え、その地下へ潜る。インディアンでいることは、大地へ帰ることではない。大地は至るところにあっ、てどこにもない。”

Posted by ブクログ

2024/07/23

2018年の発売時からずっと気になっていた小説をようやく購入。12人の都市インディアンの視点が代わる代わる描かれ、最後は祭りの祭典「パウワウ」で幕を閉じる。アメリカの都市インディアンのことを恥ずかしながらほとんど知らなかったので、初見の単語や文化も多くて新鮮だった。 12人の視点...

2018年の発売時からずっと気になっていた小説をようやく購入。12人の都市インディアンの視点が代わる代わる描かれ、最後は祭りの祭典「パウワウ」で幕を閉じる。アメリカの都市インディアンのことを恥ずかしながらほとんど知らなかったので、初見の単語や文化も多くて新鮮だった。 12人の視点が交互に移り変わるこの小説では、インディアンたちの苦境(肥満、ドラッグ、アルコール依存、離婚、自殺)が繰り返し描かれるが、一方でどこか前向きな気持ちになるようなエピソードもある(物語ること、踊ること、繋がろうとすること)。だからこそ緊迫のエンディングは衝撃そのもので、そんな終わり方ってあんまりでしょう、と思う。あまりに突然で、無慈悲で、暴力的。でも、これこそがインディアンが数百年にわたり見せつけられた現実だと思うと、読者はもう何も言うことができない。 私としては本書を、ドミニカの凄惨な歴史を現代オタク文化と見事に繋げたJuno DiazのThe Brief Wondrous Life of Oscar Wao (2007; ジュノ・ディアス「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」)と並ぶ現代アメリカ文学の傑作に挙げたい。なお、本作の続編Wandering Starsが今年発売された。続編では1864年のサンドクリークの虐殺がモチーフとなっているようだ。相変わらずスラングが多くて難しそうだが、読んでみようと思う。

Posted by ブクログ

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