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男の業の物語
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男の業の物語

石原慎太郎(著者)

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男の業の物語

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 幻冬舎
発売年月日 2020/12/17
JAN 9784344036949

男の業の物語

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2024/12/14

ー 以前、亡き三島由紀夫氏と男の最高の美徳とは何かについて対談したことがある。口を切る前に彼が互いに紙に書いて入れ札しようと言い出し、言われるまま互いに書いて見せ合ったら、期せずして全く同じ「自己犠牲」だった。確かに歴史を振り返ってみれば、仕えている主君や国のために潔く身を賭して...

ー 以前、亡き三島由紀夫氏と男の最高の美徳とは何かについて対談したことがある。口を切る前に彼が互いに紙に書いて入れ札しようと言い出し、言われるまま互いに書いて見せ合ったら、期せずして全く同じ「自己犠牲」だった。確かに歴史を振り返ってみれば、仕えている主君や国のために潔く身を賭して死んだ侍の逸話には事かない。三島氏も市ヶ谷で自衛隊にクーデターを促した後、腹を切って死んだが、あれを国家のための自己犠牲と思う者は一人もいないだろうが。 口ぶりも内容も、ザ・石原慎太郎である。本書はこんな感じのエッセイだ。マチスモとは、スペインやラテンアメリカなどの国々で一般的に見られる男性優位主義の思想。『太陽の季節』で見せたような男の性的な身勝手さの性質を美化するようなマチスモの美学を、しかし、悪びれもせずにアイデンティティとして自らを演出したのが石原慎太郎だったのだろう。 だがとにかく、確かに石原慎太郎からは豪快さや教養を下地にした正論を感じはするが、決して聖人ではないし、少なくとも人生の後半においては、単に恵まれた特権階級という気もする。そして、冒頭の引用で言えば、彼は大衆にそうした同意を求めるばかりで、自らは愉しみを許容される側。自己犠牲など、微塵も感じさせないのだ。 しかしこれは真理であり、衆愚的に階層を見下すならば、自己犠牲を求められるのは、常に下っ端たちなのだ。自らは、そうした自己犠牲の役者を大所高所から脚本にして査定するのみ。 それがマチスモの本質ならば、男の美学など大したものではない。

Posted by ブクログ