心に刺さる「物語」の力 ストーリーテリングでビジネスを変える

キンドラ・ホール(著者), 湊麻里(訳者)

• 販売会社／発売会社: パンローリング
• 発売年月日: 2020/12/14
• JAN: 9784775942451

商品レビュー

2025/08/11

ビジネスに役立つというストーリーテリングについて書かれている。著者はプロのストーリーテラーだ。

なぜストーリーを語るのが効果的なのかと、ストーリーを構成するの3つの枠組み・ビジネスで語るべき4つの必須ストーリー・偉大なストーリーの4要素と、ストーリーの探し方やストーリーの仕立て方が紹介されている。　

ビジネスで語るべき4つの必須ストーリーにページが割かれているように感じた。個人的にはストーリーの探し方は大変ためになったが、ストーリーの仕立て方や語り方や飽きられない話し方などをもっと詳しく書いて欲しかった。

2025/08/07

＜全体的な印象＞
著者のストーリーテリングに対する熱意は伝わってくるものの（盲信？）、「すべての人が必ず自分のストーリーを聞きたがっている」という前提には疑問を感じる。ビジネスシーンにおいて求められるのは「効率的な情報交換」だからだ。時間に制約がある中で、自分語りを話したいだけされると「本題に早く入れ！」と指摘されちゃうよ。

＜アテンション・エコノミーという現代的な課題＞
現在の情報環境において、ストーリーテリングを取り巻く状況は本書執筆時から更に厳しくなっている。ソーシャルメディアやYouTube、Netflix等では無数のコンテンツが日々生産され、アテンション獲得競争は激化の一途を辿っている。
特に日本では、世界トップレベルのコンテンツ産業が発達しており、消費者の目は肥えている。本書冒頭で紹介されている感動ストーリーの手法も、「24時間テレビ」や過去のドラマで何十年前もから消費し尽くされた感がある。今の読者にとっては、むしろ古臭く感じられる可能性が高い。

＜評価できる点＞
一方で、企業ブランディングにおけるファウンダーストーリーの重要性とその構築手法に関する解説は実用的で価値がある。厳しい競争環境の中では確かに「微力」かもしれないが、「無力」ではない。適切に活用すれば、依然として有効なツールとなり得る。

＜総括＞
ストーリーテリングの基本原理は普遍的であるものの、その実践方法は時代と共に更新していく必要がある。本書は基礎理論として参考になるが、現代の情報環境に適応させるためには読者自身の工夫と応用が不可欠だろう。

2024/04/14

ストーリーが起こし得る変化は、顧客を信者に変える、従業員を伝道者に変える、幹部をリーダーに変える、マーケティングの性質と影響力を変える、私たちの意識すら変える可能性があること。

すべてのビジネスにとっての課題は「ギャップに橋をかける」ことにある。
ビジネスの目標は、利益をもたらす価値を人々に届けること。
対象者に橋を渡ってもらうために必要な三要素は注意喚起、感化、変容である
ストーリーの4要素
・共感できるキャラクター
・本物の感情
・拡大された瞬間
・具体的なディティール