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ミルクマン
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2020/12/01 |
JAN | 9784309208138 |
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ミルクマン
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商品レビュー
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13件のお客様レビュー
北アイルランド紛争時のベルファスト的などこか。 反政府の過激派が支配する地域で生きる保守的な住民たち。 ちょっと変わった女の子がちょっと変わっているために、過激派の重鎮に見そめられて付きまとわれ、ちょっと変わっているため保守的な住民たちには受け入れてもらえない。 無責任な噂は新...
北アイルランド紛争時のベルファスト的などこか。 反政府の過激派が支配する地域で生きる保守的な住民たち。 ちょっと変わった女の子がちょっと変わっているために、過激派の重鎮に見そめられて付きまとわれ、ちょっと変わっているため保守的な住民たちには受け入れてもらえない。 無責任な噂は新しい無責任な噂を呼び、過激派は好き勝手する。読んでてうんざりする地域社会の中で、ストーリーは途中から一気におもしろくなる。 実際に触れて傷をつけなくても、暴力は色んな形で存在し、人を壊すことができる。実際に人が死ぬような暴力が日常の場所でも、見えない暴力の力は計り知れない。 何も見えていなくても、何も起きていなくても、心が壊されるようなことがあれば、そこに暴力は存在している! 固有名詞が出てこないので、どこでも誰にでも当てはめられる。また、当時のベルファストの息苦しさを想像することもできる。 ディストピア小説のようなフェミニスト小説のような不思議な小説。
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事前知識がないと読み進めるのがツラい作品。事前知識がないまま、物語を読む感覚で数十ページ読んだが、内容が頭に入ってこない!でも、訳者の後書きで、北アイルランド問題を背景にしていると分かったら、それまでの数十ページがストンと理解できた。ツラいことばかりで救いがない内容だが、紛争がな...
事前知識がないと読み進めるのがツラい作品。事前知識がないまま、物語を読む感覚で数十ページ読んだが、内容が頭に入ってこない!でも、訳者の後書きで、北アイルランド問題を背景にしていると分かったら、それまでの数十ページがストンと理解できた。ツラいことばかりで救いがない内容だが、紛争がない日本に住む私たちも主人公が語る思いにどこか共感する部分があるはず。なかなか考えさせられる作品。
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「百年の孤独」の冒頭のような一文から始まるこの小説に固有名詞はほとんど出てこない。 「あっち側」「海の向こう側」「地区のこちら側」。 指示代名詞ばかりで、人の名前も二つ名や家族を呼ぶものばかり。 読んでいくうちに、この町の住民が、体制側に抑圧されており、反体制側がその中で町を陰に...
「百年の孤独」の冒頭のような一文から始まるこの小説に固有名詞はほとんど出てこない。 「あっち側」「海の向こう側」「地区のこちら側」。 指示代名詞ばかりで、人の名前も二つ名や家族を呼ぶものばかり。 読んでいくうちに、この町の住民が、体制側に抑圧されており、反体制側がその中で町を陰に統治しゲリラ的に対抗していることがわかる。 人は簡単に撃ち抜かれ、爆発に巻き込まれ、猫や犬の遺体はさらされ、噂が噂を呼び疑心暗鬼に追い込まれていく環境が、どこの国かはあえて語られない。 (北アイルランドらしいことは本の紹介で知ったが、程度の差はあれ同じような地域なら通じる) そしてそんな中でも人間は多面的だ。 変人奇人と思われてきた人にも裏があり、信じてくれると思った子供時代の親友は聞く耳を持たず、“おそらく彼氏”には隠し事があり、一方で嫌な母も姉もやはり母であり姉である。知っていると思っているのは真偽不明の噂か個人が見つめる一面だけなのだ。 私たちは隣人のことをよく知らない。 たとえ、それが抑圧された閉鎖的な世界でなくても。 暗いのか暗くないのか不可思議なくどくどした語りに耐え、やっと慣れた150ページ過ぎからはとまらない。 さすがブッカ―賞。
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