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超電導リニアの不都合な真実
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2020/11/30 |
JAN | 9784794224804 |
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超電導リニアの不都合な真実
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商品レビュー
4.2
5件のお客様レビュー
ここのところ、リニア中央新幹線に関する本をいろいろと読んでいるのですが、理系の方が書いた本を読んだのは、これが初めて。 とくに、技術に関する記述については、これまでのところ、この本が最も丁寧な印象。 ただ、引き続いて、鉄道総合技術研究所による本も読む予定なので、技術に関する記述に...
ここのところ、リニア中央新幹線に関する本をいろいろと読んでいるのですが、理系の方が書いた本を読んだのは、これが初めて。 とくに、技術に関する記述については、これまでのところ、この本が最も丁寧な印象。 ただ、引き続いて、鉄道総合技術研究所による本も読む予定なので、技術に関する記述については、もっと詳しいものにあたる可能性はあります。 もし、「リニア中央新幹線に関する本を1冊だけ紹介して」と言われたら、この本を紹介します。 リニア中央新幹線に関しては、経済性や安全性、環境への影響など、様々な課題がありますが、この本は、リニアモーターカーそのものが抱えている課題についての記述が豊富です。 それらの記述から、リニア中央新幹線の計画を推進するかどうかよりも、まずは、その前に、リニアモーターカーそのものを技術的に確立させる必要があることについての理解が深まると思います。 そのことからは、当然のことながら、リニア中央新幹線に関する議論は時期尚早である、という結論が導かれますし、その結論についても納得できると思います。 ちなみに、この本は、リニア中央新幹線に関する本でもありますが、タイトルに、「リニア中央新幹線」という言葉が入っていません。 そのことからも、「リニア中央新幹線の前に、まずはリニアモーターカーについて知るべきじゃね?」という著者の想いを感じました。
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リニア新幹線は技術的に完成していない、ということを端的に指摘している。 (1)超電導磁石とは、「超電導状態にしてから、いったん直流の電流を流し、コイルの両端をつなぐと、コイルに大電流が流れ、強い磁界を発生」するので、電気抵抗によって電流が消えてしまう常電導磁石よりも強い磁界が...
リニア新幹線は技術的に完成していない、ということを端的に指摘している。 (1)超電導磁石とは、「超電導状態にしてから、いったん直流の電流を流し、コイルの両端をつなぐと、コイルに大電流が流れ、強い磁界を発生」するので、電気抵抗によって電流が消えてしまう常電導磁石よりも強い磁界が得られ、これを利用するのがリニア新幹線である。 (2)超電導磁石を実現するためには「コイルを極低温に冷却して」電気抵抗をゼロにする必要があり、液体ヘリウムを冷媒とする。 そして、(1)については超電導磁石が常電導磁石になってしまうという「クエンチ現象」が不可避だという(クエンチで電気抵抗が発生するとコイルが発熱して液体ヘリウムが気体になって体積が700倍になるという)。 また、(2)についてはヘリウムが世界的に供給不足という問題があるという。 超電導磁石についての根本的な技術課題が解決されてない(実験室でならともかく、屋外の数百kmの営業路線での安定運用には疑問が伴う)というのが著者の指摘だ。 リニア新幹線は心臓部が未完成であるだけでなく、枝葉の部分にも課題は山ほどある。 たとえば、気密荷重の問題がありトイレの汚物タンクが破損する恐れも指摘される。また、駅に到着するたびに高速でゴムタイヤを出して着陸する、そのゴムタイヤは航空機以上の高頻度で衝撃を受けるので、そのメンテナンスをどうするかという問題もある。などなど。 中央アルプスを貫く長大トンネルの環境問題だとか、電力消費の大きさ=経済性の問題、といった話をする以前に「そもそも可能なのか」という問題提起である。 著者の観測では、JR東海も実現の困難さはわかっていて、従来型新幹線への転換も視野に入れている可能性が高いという。 それはそれで、無理やりリニア新幹線の話を進めて財投融資を受ける以上、「半公共事業」としては問題もあるわけで。 漠然とした「磁石で浮くから時速500キロ」という夢のイメージではなく、現実世界の出来事として考えるために有益な一冊。
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超伝導につきもののクエンチ現象をきちんと克服できていない可能性を始め、技術的な壁が想像以上に厚いことを指摘している。開発中止したフリーゲージトレインの二の舞の可能性もある。東海道新幹線も開通するまでには多くの批判があったようだが、ある程度枯れた技術の集合体で目処は立っていた。それ...
超伝導につきもののクエンチ現象をきちんと克服できていない可能性を始め、技術的な壁が想像以上に厚いことを指摘している。開発中止したフリーゲージトレインの二の舞の可能性もある。東海道新幹線も開通するまでには多くの批判があったようだが、ある程度枯れた技術の集合体で目処は立っていた。それに比べるとリニアは革新的及び複雑なシステムであり、故障のリスクは相当高い。静岡のトンネル問題とは別に、著者の言うように冷静な技術上の議論が必要と感じた。
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