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ひび割れた日常 人類学・文学・美学から考える
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
| 発売年月日 | 2020/11/18 |
| JAN | 9784750516745 |

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ひび割れた日常
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商品レビュー
3.6
6件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
コロナ禍の社会の中にいる3名の視座、リレーエッセイ 日常という状態とは? ウイルスと生活するとは? 自然の営みとは? コロナ禍を捉え直す試みは、全体から見つめ直す作業になる 僕らはどのように変わるのか、変わっていくのか
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隣の市の図書館へ、本を返しにいく。広域利用で、行った図書館の棚にある本を5冊まで借りられる。広域利用資格では予約はできないので、待ってる本はない。 返したあとに、まずこの館にあることを確認していた本を見る。700ページ超の分厚い本を、近くの椅子に座ってしばらくぱらぱら。持って帰...
隣の市の図書館へ、本を返しにいく。広域利用で、行った図書館の棚にある本を5冊まで借りられる。広域利用資格では予約はできないので、待ってる本はない。 返したあとに、まずこの館にあることを確認していた本を見る。700ページ超の分厚い本を、近くの椅子に座ってしばらくぱらぱら。持って帰ってもうちょっと読みたい気もするが、重いのでまたにするか(あるいは相互貸借でリクエストするか)と書架へ戻す。 それから館内をぶらぶらする。あちこちの本棚をじーーっと眺めてまわって、エッセイの棚で『ひび割れた日常』を手にとってみる。奥野克巳と伊藤亜紗は、それぞれいくつか読んでいる。吉村萬壱は…たぶん何も読んだことがない。 ぱらぱらと開いてみて、2020年のコロナ禍に入った直後の頃に書かれたものらしいと知る(本が出たのは2020年の12月)。そのあたりは自分自身がキツかった頃で、読みたいような読みたくないような… いちど書架へ戻す。 そして、また違う棚をじーーっと眺めてまわったが、そのうちに気がかわって、エッセイの棚へ戻り、『ひび割れた日常』を借りた。帰りの移動中に少しずつ読みだして、帰ってから読みおえた。 読んでいて、いろいろと息苦しかったようなあの頃の空気を思い出す。一方で、そんな頃に「ひび割れた日常」を共に考えるリレーエッセイという場がもてたことの良さが、3人の綴る言葉から感じられた。 「リレーエッセイを終えて」というパートで、伊藤亜紗はこう書いている。 ▼リレーエッセイが始まってみると、それは三人でひとつのテーブルを囲みながら、そのテーブルのうえに、考えるヒントとなる事物を順番においていくような作業であった。観念の応酬でなかったことがとにかく楽しかった。ある物が追加されることによって、それまでに置かれていた物の配置や意味が少しずつ変わっていく。事物による対話は、意味があとから作られる。宛先も後先も考えずに言葉を投げて良い場があったことは、先の見えないこの時期に、自分と他者への信頼を取り戻させてくれた。…(中略)… …(中略)…リレーエッセイが与えてくれた最大のものは、「聞く」だった。足場が安定したことで、私は「自分でない存在を聞く」という能力を回復することができた。(pp.167-168、「想像力の果てからやってきた使者」) 本の途中で引用されていた、福岡伸一による「ウイルスが人間にもたらす"水平性"」の話(遺伝する情報は親から子へ垂直方向にしか伝わらないが、ウイルスは遺伝子を水平に運ぶという有用性がある)や、似ていない相手との間に類似性を見つけることも私たちに授けられた能力だという話が、印象に残った。 ▼…思いもかけなかったものと自分が似ていたことに気づくとき、それまで自分の置かれた状況について考えていたことは、爽やかな衝撃とともに揺らぎはじめるだろう。前ばかり見て目を凝らしていたら、不意に後ろのドアが開いて一気に外の風が入ってきた、そんな感じだ。 私がこのリレーエッセイから感じているのも、同じような風だ。三人それぞれ、違う景色を見て、違う話をしている。でも違うからこそ、思いがけない類似性が見つかり、そのことに救われている。(p.105、伊藤亜紗「グラブとアンパン」) この本じたいを知らずにいたので、一度は棚に戻しながら、気が変わって借りてみて、いい時間をもてたなあと思う。 (2025年3月28日了) ※「ひび割れた日常」は、亜紀書房のウェブマガジン「あき地」で掲載された。 今も、一部の回が読める。 https://www.akishobo.com/akichi/nichijo/v1
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リレーエッセイという手法、面白いな。手紙のやりとりをこういう形でやってみたいかも。 御三方それぞれの視点が交差する様、少しずつズレて発展していく様など非常に楽しい。
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