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現実脱出論 増補版 ちくま文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2020/11/12 |
| JAN | 9784480437006 |

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商品レビュー
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「現実を見ろ」「現実は甘くない」といったような説教でよく使われる「現実」を脱臼させ、がんじがらめになってしまった私たちの生きかたに自由の息吹を吹き込もうとする試みがなされています。 現象学や哲学的人間学に通じていれば、もうすこし厳密なしかたでおなじような発想をあつかうことも可能...
「現実を見ろ」「現実は甘くない」といったような説教でよく使われる「現実」を脱臼させ、がんじがらめになってしまった私たちの生きかたに自由の息吹を吹き込もうとする試みがなされています。 現象学や哲学的人間学に通じていれば、もうすこし厳密なしかたでおなじような発想をあつかうことも可能なのかもしれませんが、本書では哲学的な概念に頼ることなく、著者自身の体験にもとづいて、いわば素手で議論を切り開いていこうとしています。著者の知性の膂力を感じさせる本だと思います。 ただ、社会のレヴェルの問題を個人のマインドセットの問題に還元してしまうことにともなう危険性にも、もうすこし目配りしなければならないように思います。なにも松本哉を見習ってイデオロギー的な立場を鮮明にするべきだというつもりはありませんが、個々人が感じている生きづらさは、同時に政治的な問題でもあるという視点は、必要ではないかと考えます。 なお、文庫化にさいして増補された「現実創造論」では、畑仕事に出会って躁鬱病を乗り越えた著者の現状が語られるとともに、「現実」に押しつぶされることのない健康な生きかたを実現するための、著者ならではの提言がなされています。
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一見ノンフィクションだけれど、物語的でもある。 腑に落ちるような文章が、ここかしこにあって 手元に置いて、時々読み返したい。
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新書版(2014年出版)が書かれた時点(2008年に遡るらしい)では著者は確実に「気が狂っていた」と思わざるを得ない。良くこの状態で他者の理解に開かれた文章を書けたものだと心底驚愕する。才能と環境と何より人の縁に恵まれていたのだろう。その希少性は想像を絶するものがある。増補部分(...
新書版(2014年出版)が書かれた時点(2008年に遡るらしい)では著者は確実に「気が狂っていた」と思わざるを得ない。良くこの状態で他者の理解に開かれた文章を書けたものだと心底驚愕する。才能と環境と何より人の縁に恵まれていたのだろう。その希少性は想像を絶するものがある。増補部分(2020年執筆)を読むと少し安定しているようだが、それでも直近の症状から1年に満たないので危うい感じは消えない。 創造と狂気は昔から気になるテーマのひとつではあるのだが、これはその当事者研究者のようだ。 「人に合わせずに、膨大な量を作る、これだけが創造を仕事とする人には重要なことです。(中略)とにかく毎日、作る。(中略)無尽蔵に生まれるくらいの好きなことに毎日3時間くらい集中できるようにする、ということくらいです。大事なことは。」 「食っていけてない人は単純に作っていないだけです。」 「自動的に死ぬまで作り続けることを見つけるんです。(中略)飢え死にしてもいいと決めて、ひたすら夢中でやってみるんです。飢え死にするよりも先に、作品が売れると確信しています。」 全くもって狂気とは縁遠く合理的に作家業を営んでいるように見える森博嗣と同じことを、坂口恭平が言っているのがとても印象的。 躁鬱は浮き沈みがあるので、毎日同じ時間割で生きるのはしんどいのではと思うのだが、逆に生活サイクルの固定化が病状に良い影響を生んでいるのかもしれない。
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